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ブラジル新政権はチリ寄り?=アルゼンチンに広がる懸念の声

 ブラジルのボルソナロ新政権が、チリへの接近姿勢を示している事にアルゼンチンが懸念を持っていると、30日付ブラジル紙が報じた。
 これは、新財相就任が確実なパウロ・ゲデス氏が28日の決選投票後に「南米南部共同市場(メルコスール)は最優先ではない」と語った事や、新官房長官就任が濃厚なオニキス・ロレンゾ下議が29日に発した「新政権最初の訪問先はチリ」の言葉からうかがえる。
 「『ブラジルにとって、アルゼンチンは二番手以下』との考えはアルゼンチン国内でも反響を呼んではいる。今後、具体的にどんな動きがあるか、様子を見る必要がある。ブラジルはアルゼンチンにとって最大の貿易相手であり、アルゼンチンはブラジルにとって3番目の貿易相手だ」と語るのは、メルコスール専門の経済学者マルセロ・エリソンド氏だ。
 今年1~9月のブラジルからアルゼンチンへの輸出額は123億ドルで、アルゼンチンからブラジルへの輸出額は82億ドルと、41億ドルの貿易黒字だった。
 「ブラジル、アルゼンチンに加えて、パラグアイも、メルコスールでいつも足並みを揃えるのではなく、個別の利益に基づき、他国と貿易協定を結びたいと考えている」とエリソンド氏は語っている。
 ブラジル紙によると、ボルソナロ氏は2週間前にアルゼンチンのマクリ大統領と極めて友好的に会談しており、亜爾然丁は11月30日と12月1日にブエノスアイレスで開催されるG20サミットにボルソナロ氏を招待する事を検討しているという。