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《ブラジル》サンタカタリーナ州=次期州議が歴史授業の録画求む=「教育への検閲」で問題化

 ブラジル南部のサンタカタリーナ州で、ジャイール・ボルソナロ次期大統領の社会自由党(PSL)から出馬して州議員に当選した女性が、州の歴史教育の実態を知らせるべく、授業を録画して自分の携帯電話に送るよう、ネットで求めていたことがわかった。30日付現地紙、サイトが報じている。
 問題となっているのは、7日に州議に当選したアナ・カロリネ・カンパノーロ氏(27)が28日夜、「州の学校で行われている歴史の授業の光景」をネット内でチャンネル化しようとし、29日からは授業の様子を録画したものに学校と教員の名前を付記し、自分の携帯電話の番号に送るようにとのキャンペーンをはじめたことだ。
 この行為は早速、州教育局で問題となり、全国教育審議会の議員2人も「学校内での教員の教育方針に関する検閲行為になりかねない」と、警鐘を鳴らした。
 サンタカタリーナ州検察局も、カンパノーロ氏に対し、詳しい事情説明を求めている。
 歴史の教員でもあるカンパノーロ氏は、「教育現場で特定の政党の思想に偏った教育が行われている」と主張している。
 ボルソナロ氏も2016年に「学校の歴史の授業を撮影しろ」との主張を行っているが、カンパノーロ氏は5年ほど前からボルソナロ氏の考えに強い共感を覚えていたという。
 カンパノーロ氏は、ボルソナロ氏らが掲げ、政治や性などについての教育を禁じる「政党なき教育」の推進者でもある。