ブラジル地理統計院(IBGE)は10月30日、今年の第3四半期(7~9月)の平均失業率は11・9%で、12・4%だった第2四半期より若干の改善を見た事を発表した。10月30、31付現地紙・サイトが報じている。
失業率の若干の改善は、7~9月期に138万4千人分の雇用が増えた事が原因だ。しかし、労働手帳に登録された正規雇用は、その内の13万8千人分しかない。
IBGEの労働・収入部門コーディーネーターのシマール・アゼレード氏は、「ほぼ140万人の雇用が増えた事は喜ばしいが、就労条件が決して好ましくない事は懸念材料。まだ1250万人もの失業者がいるし、職に就けたとしても、非正規雇用が非常に多い」と語る。
7~9月期には民間部門で52万2千人分の非正規雇用の口が生まれ、43万2千人が自営を始めた。この新規自営業者の大半(29万9千人)は、法人登録(CNPJ)をしていない。
ジェツーリオ・ヴァルガス財団(FGV)所属のエコノミスト、フェルナンド・バルボーザ・フィーリョ氏は、「雇用回復ペースは遅く、段階的で、我々の望むペースを大幅に下回る。まさに景気回復の遅れが原因」と語る。
また、コンサル会社MBアソシエイツ社の主席エコノミスト、セルジオ・ヴァーレ氏は、「たとえ、今後景気が大きく回復しても、来年末も失業率が二桁を割り込むことはないだろう」とした。
また、希望する日数や時間数働けていない労働者も685万9千人と、過去最高を記録した。
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