ボルソナロ次期政権(自由社会党・PSL)への改革路線の期待と国外要因が重なり、1日のサンパウロ市株式市場指数(Ibovespa)は3営業日連続となる前日比1・14%上昇を記録、8万8419ポイント(P)の史上最高値を記録したと、2日付現地各紙が報じた。
1日の取引は一時8万901Pまで上がり、8万8419Pに落ち着いた。この終値は今年2月26日に記録した8万7652Pを上回り、史上最高だ。
株高に繋がった要因の一つは、米国トランプ大統領による、「中国の習近平総書記との会談はとても良いものだった」との発言で、米中貿易戦争緩和への期待から、1日の米国株は、ダウジョーンズ、S&P、ナスダック全てが1%以上の上昇を記録した。
また、ドルもレアルに対して値を下げた。1日のドル/レアル為替相場は、前日比0・82%ドル安の1ドル=3・69レアルだった。
国民から人気を得ているセルジオ・モロ判事がボルソナロ次期政権の閣僚入りを受諾したことも、社会保障制度改革その他の政策交渉を容易にするとの期待を招き、若干、株高に寄与したと見られている。
投資顧問会社アチーバ・インベスチメント社の市場アナリスト、ペドロ・リマ氏は、「1日はペトロブラス社株が大きく下げたが、国外要因がIbovespa全体の指数を上昇させる助けになった」と語る。
同氏はまた、ブラジル企業の今年の第3四半期決算報告や新政権の閣僚人事の他、国際要因も、投資家たちは注視していかなくてはならないとしている。省庁統合の動きに関しては、株価に与える影響はゼロではないが、それほど大きくはないと、市場は見ている。
新規の株式公開も今後増加の見通し
また、5日付現地紙は、次期政権が社会保障制度などの改革を行い、経済が成長軌道に乗れば、ブラジル企業の株式新規公開も増えるだろうと報じている。
ブラジルでの株式公開は2014、15、16年が1件ずつ、17年が10件、今年もここまで3件に止まっている。だが、市場関係者によると、有価証券取引委員会(CVM)への申請を済ませた企業は既に約30社あり、承認され次第、株式公開を始める見込みだ。
株式公開への動きの先頭に立つのはBMG銀行と、IT企業のTivit社で、この2社は年内にも株式公開に必要な手続きを終える計画だ。
サンタンデール銀行エクイティ(株式資本)部門部長のアンドレ・ローゼンブリッチ氏は、これら30社は今後1年半以内に新規株式公開を始める見込みで、550億レアルの資金が市場に投入されると見ている。