サンパウロ州で黄熱病による新たな死者が確認された事を受け、同州保健局が5日、海岸部に旅行する人は10日以上前に黄熱病の予防接種を受けるようにとの勧告を出したと同日付G1サイトなどが報じた。
パライバ渓谷クーニャ市に住んでいた26歳の男性の死因が黄熱病であった事が確認されたとアドウフォ・ルッツ研究所が発表した事を受け、サンパウロ州保健局の勧告は発せられた。
この男性は、タモイオス道の複線化工事の現場で働こうとして、海岸部のカラグアタツーバ市に赴いた際、黄熱病に感染したとみられている。男性の家族は全員、予防接種を受けていたが、この男性だけは予防接種を拒んでいた。男性は症状が悪化してエミリオ・リバス病院に入院したが、先週死亡。感染確認は、5日に発表された。
これにより、今年のサンパウロ州の黄熱病感染者は502人に増え、死者も175人となった。サンパウロ州内で黄熱病患者が最も多く発生しているのはサンパウロ大都市圏のマイリポラン市で、152人が感染し、33人が死亡。近隣のアチバイア市でも48人が感染し、10人が死亡している。
サンパウロ州保健局によると、同州内はどこでも黄熱病に感染する可能性があるが、現在までの患者の大半は、大西洋岸森林地帯(マッタ・アトランチカ)内で感染している。
他方、夏になって蚊が媒介する病気が増える前に予防接種を、と呼びかけているのはリオ州だ。
同州では今年、黄熱病の患者が262人発生しており、84人が死亡した。また、前回の予防接種キャンペーンでワクチン接種を受けたのは1100万人で、目標の73%のみだったため、夏が来る前にさらに400万人に予防接種を施し、接種率を95%に伸ばす意向だ。
予防接種キャンペーンは11月一杯で、全ての保健所(UBS)にワクチンが配布されている。また、土曜、日曜は、キンタ・ダ・ボア・ヴィスタでも接種が可能だ。
接種を受けない方がよいとされているのは、生後9カ月以下の子供と、病気のために免疫能力が低下している人、妊婦などとなっている。なお、今回のキャンペーンでは弱めてない普通のワクチンが使われる。