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《ブラジル》重くのしかかる公務員人件費=16州・直轄区が純収入の6割超=公共サービスの維持も困難

マンスエト・アルメイダ国庫庁長官(Agencia Senado)
マンスエト・アルメイダ国庫庁長官(Agencia Senado)

 ブラジル国庫庁が6日に発表した報告書によると、昨年は、16州と連邦直轄区が、財政責任法の定める「純収入の60%を超える額を人件費に使ってはいけない」との項目に抵触していた事が分かった。7日付現地紙が報じている。
 純収入の60%以上を人件費に費やすと、州の責務である基本的な公共サービスに回せる資金が少なくなり、サービスの質の維持も出来なくなるとの理由で、同法は制定されている。「純収入」は税収などから諸経費を引いた額で、「人件費」は現役職員の給与や諸手当に、元職員への年金なども加算した額だ。
 17年は16州と連邦直轄区がこれに抵触しているが、16年は9州のみで、地方自治体の財政状況が年々悪化していることが分かる。「この状況が続けば、数年のうちに多くの州が財政破綻を起こしかねない」と報告書には記されている。
 五つの州では、純収入の75%以上が人件費に使われている。その内の一つで国との間の債務返済交渉をしているリオ州では、人件費が81%をにものぼる。最も比率が高かったのはリオ・グランデ・ド・ノルテ州の86%だ。リオ・グランデ・ド・ノルテ州は17年末、同州の人件費支払い補助のために資金を融通する暫定令を出すよう連邦政府に要請したが、財務省がそれを食い止めた。
 リオ州、リオ・グランデ・ド・ノルテ州以外で人件費が75%を超えた州は、ミナス・ジェライス州(79%)、リオ・グランデ・ド・スル州(78%)、マット・グロッソ・ド・スル州(77%)の各州だ。
 国庫庁の報告書は、各州の脆弱な財政状況だけでなく、州が実態を隠匿し、財政責任法に抵触していないように見せかけている事実も明らかにした。財政責任法違反が発覚した自治体は17だが、独自のデータで「財政責任法を守れていない」と認めた自治体は六つに過ぎなかった。多くの自治体は、元職員や補助職員への支払いを人件費に含めていなかった。
 財政責任法抵触を認めず、純収入の56%しか人件費に使っていないとしているリオ・グランデ・ド・スル州は、今年の13カ月給は期日通りに支払えないと認めている。また、国庫庁が86%としているのに、52%しか使っていないとしているリオ・グランデ・ド・ノルテ州は、余りの落差に懸念も大きい。ところが、リオ・グランデ・ド・スル州、リオ・グランデ・ド・ノルテ州は現地紙の指摘には返答していない。
 ブラジル社会の高齢化と共に、州職員の定年退職が増えることで、人件費抑制は今後ますます難しくなると、国庫庁は警告している。
 元ゴイアス州財務局長のアナ・カルラ・コスタ氏も、「各州が人件費抑制の試みを早急に行わなければ、州の純収入の全てを人件費に使わざるを得なくなる。そうなれば教育、医療など、基本的な自治体のサービスは崩壊する」と語っている。

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