ジャイール・ボルソナロ次期大統領は7日、労働省を廃止して分割統合することを発表。省庁は最終的に18となりそうだ。また、同日に同氏が行った次期農相指名が、早くも問題となっている。8日付現地紙が報じている。
ボルソナロ氏は7日、高等裁判所でジョアン・オタヴィオ・デ・ノローニャ長官と食事をした後、記者団に労働省廃止の意向を語った。それが何に統合されるのかは語らなかった。
この動きに関しては前日から既に予想されており、前日には労働省がボルソナロ氏に当てて存続を直訴する嘆願書も出していた。
エスタード紙の予想だと、労働省の統合先は商工サービス省(MDIC)になるのではないか、ということだ。
ボルソナロ氏は、省庁を15までに削減すると公約していたが、現時点では、最終的に18に落ち着きそうだ。それは、国庫庁(CGU)が、従来の治安省や金融活動管理審議会(Coaf)も統合した新法務省への統合に強行に反対しているためだ。
さらに、いったんは発表されていた農務省と環境省の合併による新省発足も、国民からの強い反発により、断念することになった。それは同じく7日に、ボルソナロ氏が次期農相として、テレーザ・クリスチーナ氏(民主党・DEM)を発表したことでも明らかとなった。
だが、この件をめぐっても、早速物議をかもしている。テレーザ氏の起用は、これまで「女性入閣者がいない」との、マスコミや国民からの批判に応えたものだ。だが、テレーザ下議は、農薬使用の規制を緩和する法案「6299/02」の推進者で、それが故に「毒の女王」との異名で知られている人物でもある。さらに、食肉業界で問題視されているJBS社と深い関わりがあることでも知られている。
現時点で、次期ボルソナロ政権での就任が決定的な閣僚は、テレーザ氏のほかに、官房長官にオニキス・ロレンゾーニ氏(DEM)、治安相も兼ねた新法相にセルジオ・モロ氏、企画相も兼ねた新経済相にパウロ・ゲデス氏、科学技術相にマルコス・ポンテス氏、インフラ相に退役陸軍大将のオズワルド・フェレイラ氏、大統領府機関保安局(GSI)長官に同じく元陸軍大将アウグスト・エレーノ氏だ。
エレーノ氏は当初、国防相就任の予定だった。だが、エレーノ氏自身が7日、「自分はGSIに行く」と認めた。国防相は仕事柄、遠征が多くなるが、ボルソナロ氏が同氏を常に傍らに置いておきたいと考えたため、配置転換となった。