ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル連邦上院》最高裁判事の給与を約4万レアルに増額=公庫支出は年41億レアル増=ボルソナロ就任前に爆弾法案

《ブラジル連邦上院》最高裁判事の給与を約4万レアルに増額=公庫支出は年41億レアル増=ボルソナロ就任前に爆弾法案

7日の上院本会議の様子(Jefferson Rudy/Agencia Senado)

7日の上院本会議の様子(Jefferson Rudy/Agencia Senado)

 ブラジル連邦上院議会は7日、連邦最高裁判事の給与を16・38%増額調整する法案を賛成41、反対16、棄権1で可決したと8日付現地各紙が報じた。
 これにより、最高裁判事の給与は、月額3万3700レアルから3万9300レアルに増額される。テメル大統領は、「判事、検事たちへの住居手当廃止」の条件付で、これを裁可する予定だ。
 上院採決前に「今は明らかにそんなことをすべき時期ではない。今年も国家財政は赤字で終わろうとしている。来年に向けてマイナスからスタートさせる気か」と語っていたジャイール・ボルソナロ次期大統領(自由社会党・PSL)にとっては、来年1月1日の大統領就任前から、議会との折衝の難しさを思い知らされる結果となった。
 緊急財政に逆行して、爆発的に公費支出を増やす法案を、伯字各紙は「パウタ・ボンバ(爆弾法案)」と表現している。
 上院はその直後に、検察庁特捜局検事の給与増額法案も承認した。
 最高裁判事の給与は下級裁判所判事たちの給与の指標にもなっているため、その給与も自動的に増額される。
 上下両院の予算委員会の計算によると、同措置による公庫負担増は年間約41億レアルとなる。内訳は、判事たちの給与増額分が7億1700万レアル、検事たちの増額分が2億5800万レアル、最高裁判事の給与増額に伴う、立法府や行政府の職員の給与増額分が4億レアル、各州の人件費負担増が26億レアルだ。最高裁と連邦検察庁は既に、人件費上昇分を2019年予算に組み込んでいる。
 ジアス・トフォリ最高裁長官とラケル・ドッジ検察庁長官は、エウニシオ・オリヴェイラ上院議長(民主運動・MDB)に働きかけ、票の取りまとめも要請していた。
 トフォリ最高裁長官は、「最高裁、またブラジル司法界を代表して、上院の決定に感謝したい。給与増額が認められることによって、住居手当廃止への道筋が開ける」と語り、「住居手当廃止問題の報告官、ルイス・フクス判事と協議したい」と続けた。
 月額4377レアルの住居手当を廃止し、判事への給与を増額させるアイデアは、トフォリ氏が最高裁長官に正式就任する9月よりも前から、テメル大統領との間で話し合われていた。
 二つの範疇の給与調整の件は上院の経済問題委員会の検討期限も過ぎていたが、6日に翌日の本会議の議題に含めるようにとの動議が出て、承認されていた。オリヴェイラ議長は、政党リーダーたちに相談もせず、本会議で決議したことに〃特別な配慮〃があった事を否定し、「隠れて交渉して決めたわけではない」と語っている。