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《ブラジル》UCES=創立70周年記念式典を開催=ピエダーデ文協に約500人=5から24団体に拡大発展

除幕された70周年記念プレート

除幕された70周年記念プレート

 サンパウロ州の南西地区が連合会を作って70周年――聖南西文化体育連合会(UCES、山村敏明会長)の『創立70周年並びにブラジル日本移民110周年記念式典』が4日、ピエダーデ文化体育協会で行われた。傘下24の文協から約500人が参加し、同連合会の節目を盛大に祝った。

 午前9時から開拓先没者追悼法要が行なわれ、イビウーナ日伯寺の桜井聡祐開教師が導師を務めた。参列者は厳かに献花に並び、アテモイアとデコポンが供えられた祭壇に白菊を置いた。
 式典には山村会長、古川シルヴィオ式典実行委員長、菅野哲男ピエダーデ文協会長ら11人が登壇した。両国歌斉唱後、山村会長が「歴代21人の会長をはじめとした先人達の努力により、今日では24の文協がまとまっている。我々を受け入れたブラジル社会に感謝し、今後もご指導ご鞭撻のほどお願いしたい」と開会挨拶を述べた。

追悼法要の様子

追悼法要の様子

 各種表彰では9年間会長を務めた山村会長に、古川実行委員長と福寿保弘副実行委員長から記念プレートが贈られた。各文協や婦人部、運動部も表彰を受けた。また、UCES会計係を務める運天アキコ・エリザさん、300万レアル基金プロジェクトを提案、支援した資産家の天野鉄人さんが功労者表彰を受けた。
 受賞者を代表し、海老名松雄UCES初代会長が「亡き父の行三(こうぞう)が前身となる聖南西スポーツ連合会を創立した当時に想いを馳せるよい機会となった。移民110周年の節目も祝うことができて嬉しい」と挨拶を述べた。
 表彰後は山村会長ほか来賓らにより「拓魂」と刻印された70周年記念プレートの除幕式が行なわれた。式典後、来場者は祝賀会会場の同文協体育館に移動。体育館前では轟、龍舞、飛翔太鼓などが合奏を披露。110周年記念オリジナル曲「聖南西物語」など3曲を演奏し、来場客を楽しませた。
 祝賀会では山村会長、ピエダーデ文協元会長の川上皓(あきら)さんと同文協婦人部部長のオデテ・マキコ・フジタさんがケーキカットした。各文協婦人部が手作りした料理が並べられ、人だかりを作った。各文協会員らによる芸能発表も祝いの場を盛り上げた。
 UCESの前身・聖南西スポーツ連盟(SDU)はヴァルジェン・グランデ・パウリスタ市の故海老名行三さんが呼びかけ、1949年6月29日に創立された。創立総会に参加したのはピエダーデ、レジストロ、ソロカバ、タビライ、ヴァルジェン・グランデ・パウリスタの5団体。
 同年8月に行なわれた第一回聖南西陸上競技選手権大会を皮切りに野球や相撲などスポーツのほか、弁論や歌謡など文化活動も行なってきた。
 98年11月15日、UCESに改名。現在はアヴァレー、ボツカツ、カッポン・ボニート、カウカイア・ド・アウト、コロニア・ピニャール、エンブー、ガピアラ、イビウーナ、イグアッペ、イタペチニンガ、イタペーヴァ、ジュキア、マイリンケ、オザスコ、ピエダーデ、ピラール・ド・スル、レジストロ(文化体育協会、日伯文化協会)、サウト、サンミゲレンセ、ソロカバ、タピライ、タツイ、ヴァルジェン・グランデ・パウリスタが加入。


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 UCES創立70周年記念式典に参加したカウカイア・ド・アウト市の木村ツルノさん(83、島根県)とピラール・ド・スル市の原口幾代さん(86、新潟県)は住む町は違うが、同じ趣味のカラオケで知り合ったそうだ。UCES内で開催されるカラオケ大会で意気投合し、「離れているけど仲が良いの」と笑顔を見せた。「なくなった文協もたくさんある。ブラジル化して日本文化が何もなくなるのは寂しい。今後もUCES、各文協が手を取り合って活動を続けていけたら」と期待した。UCES傘下の文協だけでなく、会員同士での交流もあるようだ。