連邦警察は8日、大型汚職捜査ラヴァ・ジャット作戦から派生したフルナ・ダ・オンサ作戦を決行。7人のリオ州議員を5日間の期限付で逮捕した上、すでに他の捜査で拘束されていた停職中の州議員3人(自宅禁錮1人を含む)にも、新たに逮捕状を出したと9日付現地各紙が報じている。
この作戦は、セルジオ・カブラウ元リオ州知事(民主運動・MDB)の〃金庫番〃だった、カルロス・ミランダ氏が行った報奨付供述に基づいている。
計10人の州議には、カブラウ氏がリオ州の知事だった時代に、元知事の意向に沿った投票を議会で行い、見返りに金銭を受け取っていた疑いがかけられている。
「見返り」として、州の交通局長や、州と契約していた下請け企業トップの人事権を授けられていたケースもあった。2011年から14年までの間に、少なくとも5450万レアルが動いたとされている。
10人の州議以外にも、現、元職の州交通局長や、現職の州政府高官など、12人に逮捕状が出た。なお、フェルナンド・ペゾン現知事は捜査対象になっていない。
合計22人には、犯罪組織加担、資金洗浄、贈収賄などの嫌疑がかけられている。
カルロス・アギアール検事は、「リオ州議会は〃賄賂王国〃と化してしまい、容疑者らは政治的利益のために『あんたにはこれ。俺はこっち』と州を切り刻むような勝手な取引をしていた」と断罪している。
最も大きな利益を得ていたのは、1600万レアルを得たとされるジョルジ・ピッシアーニ元州議会議長(MDB)だ。
合計1400万レを懐に入れていたパウロ・メロ元州議は、月額90万レアルの〃小遣い〃も受け取っており、カブラウ元州知事からの小遣いを横流しする役割も果たしていた可能性があると、検察は見ている。
10月の選挙で、得票数7位で再選されたアンドレ・コレア州議(民主党・DEM)は、30回以上、不正な金を受け取っていた事が発覚している。
新たに逮捕された7人の州議は全員、10月の選挙に出馬、5人が再選を果たしていた。その中には、名門のエスコーラ・デ・サンバ、マンゲイラの会長、シキーニョ(キリスト社会党・PSC)も含まれている。シキーニョは74件の不当な人事を行っていた他、14年のマンゲイラのパレードの費用として不当に得た300万レアルを使った疑いがもたれている。
レナータ・バチスタ検事は、「州政府と州議会が結託して私腹を肥やしたせいで、州財政は破綻し、監査機関も機能不全に陥った」としている。
なお、現職の州交通局長が逮捕されたため、9日に発行されるはずだった書類は全て滞り、大混乱が引き起こされた。
タグ:汚職 写真ニュース ラヴァ・ジャット リオ サンバ 連邦警察 エスコーラ マンゲイラ