1月のボルソナロ新政権発足に向けた引継ぎ作業や人事が進む中、社会経済開発銀行(BNDES)総裁に、第2次ジウマ(PT・労働者党)政権で財相を務めたジョアキン・レヴィ氏の名前が浮上していると、12日付現地各紙が報じた。
現在、米国ワシントンの世界銀行で金融部長を務めるレヴィ氏は、BNDES総裁就任に乗り気だとされている。新政権引継ぎスタッフに近い筋は、レヴィ氏は、新政権がBNDESと世界銀行、米州開発銀行間の連携を深めていくとの約束の下に、就任を引き受けるだろうとしている。
レヴィ氏と同じシカゴ大学(米)を卒業しているパウロ・ゲデス次期経済相はレヴィ氏に好印象を持っているが、最終判断はボルソナロ次期大統領にゆだねられる。
レヴィ氏は、第2次ジウマ政権の財相以外にも、ブラデスコ銀行の資産管理部長やリオ州財務局長、財務省国庫局長官などを歴任している。
ジウマ政権では国家財政再建を託されたが、議会の反対に遭って、財政再建政策を通す事が出来ず、2015年12月に辞任していた。
PT政権期のBNDESは内外の開発プロジェクトに低利で融資を行う機関だったが、16年のジウマ大統領罷免後は、国庫からの融資の回収・返済を急いでいる。新政権では公社やインフラ部門の民営化のための道具と化す見込みだ。
また、ゲデス次期経済相は、財務省のアナ・パウラ・ヴェスコーヴィ副大臣を連邦貯蓄銀行(Caixa)総裁に就け、マンスエト・アルメイダ国庫局長とペトロブラスのイヴァン・モンテイロ総裁を留任させるなど、現政権の経済関係スタッフ3人を残す意向だ。