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群星合評会=新時代到来打ち出した第4号=85周年の歴史的意義を再考=「歴史の空白埋める重要な雑誌」

合評会の様子

合評会の様子

 「大きな転換点を迎えるなか、新時代をどう切り開くべきか」―ブラジル沖縄県人移民研究塾(宮城あきら塾長)が発行する同人誌『群星』第4号の合評会が先月27日午後2時から、同県人会本部会議室で開催された。全196頁、日ポ両語。およそ70人が読後の感想や意見を交換し、4時間近くに及ぶ長丁場となり、会議室は熱気が立ち込めた。

 宮城塾長は挨拶で、今号の主旨を「新時代の到来」と位置づけた。00年に4千世帯だった県人会会員が2千世帯に落ち込む一方で、沖縄伝統芸能文化伝承・普及の担い手として次世代の若者への世代交代を積極的に推進してきたためだ。
 翌28日には、世界ウチナーンチュの日に合わせて40歳迄の若手だけで「次世代の宴」イベントを開催。6月には婦人会連合会が設立され、青年部と婦人部の両輪で会活動を盛り立ててきた。
 日系代表5団体のうち文協、援協、日伯文化連盟の3つの長が県系人で占められていることに言及し、「県人会は日系社会全体に責任を持って活動していかなければ」とも訴えた。
 宮城塾長は「県系人社会が新時代をどう切り開き、沖縄文化をブラジル社会のなかでどう再創造するのか、大きな転換点にある」と位置づけ、「先人達はどう基盤を築いてきたか」として県人移民85周年記念祭典を第4号で特集した経緯を説明した。
 一世の郷愁を癒すため屋内で親しまれていた琉球芸能が、初めて屋外で披露されたのが85周年の《前夜祭・沖縄の夕べ》。琉球芸能の継承普及へと舵を切った同事業の歴史的意義を、今回明確にした。
 前号に引き続き戦争と移民を切口とした『移民群像』では戦争孤児の体験談を掲載。サントス強制立退事件の検証として新たに6証言を紹介し、「引き続き調査に取組んでいく」とした。その後、感想・意見の発表に移ると賞賛の声が次々に上がった。
 大学元非常勤講師の毛利律子さんは「次世代に繋げたいという明確な編集者の思いが伝わってきた。地道に集められた生々しいインタビューの数々は、後世の人々に深い感動を呼び起こすでしょう」と賞賛した。
 山城勇元会長は「子弟にとって非常に重要なことが書かれており、日ポ対訳で読みやすい。これを全ウチナーンチュに配布できればもっといい。我々だけではもったいない」と積極的な意見も。
 参加者からは「歴史の空白を埋める重要な役割を果たしている。知らない歴史を掘り起こしており、一世と二、三世の距離を近づけることにも寄与する」など賛辞が相次いでいた。
 同書は沖縄県人会(Rua Tomas de Lima, 72)や本紙編集部で無料配布中。問合せは、沖縄県人会本部(11・3106・8823)まで。


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 合評会には、映画監督の奥原マリオ純氏も出席。同氏は15年12月に戦争前後の日本移民迫害を巡り、伯政府に損害賠償を伴わない謝罪要求訴訟を起こしていた。だが、審議は一向に進まず、早期審議開始のため今年4月に県人会に協力を要請。県人会名義で嘆願書を法務省に提出し、今年中にも判決を得たい考えだった。ところが、労働者党政権の下で設置された真実究明委員会は、テメル政権になり構成員が大幅に替わってしまったため、10月の大統領選挙の結果を待つ形となっていた。今回のボウソナーロ氏当選で同委員会の活動はさらに雲行きが怪しくなったが、サントス強制立退きの真相追究は県系人にとって重要な課題。来るべき好機に備えて、調査を続けて欲しいところ。