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パラグアイ=CV首領をブラジルへ強制送還=刑務所内で殺人犯し、追放

マルセロ・ピロット(Polícia do Paraguai)

マルセロ・ピロット(Polícia do Paraguai)

 昨年12月にパラグアイで逮捕された麻薬や武器の密売者、マルセロ・フェルナンド・ピニェイロ・ヴェイガ(通称マルセロ・ピロット、43、以下、Mピロット)が19日の朝、パラナ州フォス・ド・イグアスでブラジル連邦警察に引き渡され、同日午後、同州カタンドゥーヴァスの連邦刑務所に収監されたと19、20日付現地紙、サイトが報じた。
 Mピロットは、リオ市が本拠の犯罪組織コマンド・ヴェルメーリョ(CV)の首領の1人で、強盗殺人や窃盗で26年以上の判決を受けたが、07年に逃亡。12年からは身元を偽ってパラグアイに住んでいたが、昨年12月にパラグアイ当局に逮捕された。Mピロットには殺人や麻薬密売、犯罪組織形成などの嫌疑もかかっている。
 昨年末の逮捕以来、パラグアイ当局は少なくとも2度、Mピロット救出作戦を阻止。9月には、Mピロットを本国に送還する事も決めた。
 だが、Mピロットは2件の裁判(殺人、ならびに公文書偽造と銃刀法違反)の被告だったため、送還は判決後に持ち越されていたが、2件目の裁判も16日に結審。送還は時間の問題だった。
 だが、何とかして本国送還を免れたいMピロットは17日、刑務所の房に入り込んだ18歳の売春婦を16回刺して殺すという事件を起こした。この事件後、パラグアイ政府はMピロットの国外追放を決め、同国警察の司令官も更迭した。
 Mピロットを乗せたパラグアイ空軍機は19日朝に基地を飛び発ち、イタイプ発電所脇の同国側の空港に着陸。フォス・ド・イグアスでブラジル連警に引き渡された。
 手錠と覆面姿で滑走路に降り立ったMピロットは、防弾チョッキを外され、手錠を取り替えられた後、ブラジル側の市警ヘリコプターに乗り込まされた。ヘリ内では足も縛られ、リオ州裁判所判事の指示で、最厳重警備とされるカタンドゥーヴァスの刑務所に送られた。同刑務所内では今後、17日の殺人事件も含めた取調べが行われる。
 パラグアイではMピロット逮捕後、同国検察長官への脅迫、担当弁護士粛清(13日)などの事件も起きていた。専門家は、サンパウロ市を本拠とする州都第1コマンド(PCC)とCVが、国境付近で抗争を激化させる事を懸念している。