【既報関連】ジャイール・ボルソナロ次期大統領が、国外で免許を取った医師が医療プログラム「マイス・メジコス(MM)」に参加する時は能力試験を義務付けるなどと発言した事で、キューバが同プログラムからの撤退を表明。同国人医師が帰国し始める一方、新たな医師の公募も進んでいると21~23日付現地紙、サイトが報じた。
MM開始以来、一時は1万人を超えたキューバ人医師は8332人に減ったが、ブラジル人医師が嫌う僻地や都市郊外での医療活動にもいとわず参加し、地元の人の信頼も得ていた。同国医師の中にはブラジル人と結婚した人も約1400人おり、合法的にブラジルに残れるが、MMに継続して参加出来るかを問うた保健省への手紙への返事はなく、大きな不安を抱えたまま残留となる可能性が大だ。
ボルソナロ氏は既に、残留を希望するキューバ人には政治的な事由による亡命者としての保護を約束している。だが、MMに参加していたが、国外で取得した医師免許をブラジルの基準で認める試験を受けていない、または合格していない医師に対し、MMへの参加継続を認めるか否かはまだ明らかにされていない。
他方、キューバ人医師の離脱で生じた欠員を埋め合わせるための医師公募は、応募登録開始当日からサイトが機能しなくなるなどのトラブルに見舞われ、25日までの予定を12月7日までに延長。募集枠は8517人で、2824の市と34の先住民居住地に派遣される。現在応募出来るのはブラジルで資格を取った医師で、22日午後5時現在の応募者は1万1429人に上る。ただ、登録が完了した医師は5212人、派遣希望地も申請した医師は3648人のみだ。希望地への書類提出と勤務開始期限も12月14日に延びた。
キューバ人医師達は22日から帰国し始めており、12月12日までに撤退を終える見込みだ。23日朝、帰国の途についた医師達は、「ブラジルは第2の故郷」「多くの事を学んだ」といった言葉を残して旅立った。
一方、キューバ人医師達が働いていた市や医療機関では、他の市や医療機関に走らねばならなくなった市民達が途方にくれており、一刻も早い対処が待たれている。