23日付フォーリャ紙が掲載したインタビューなどで、アミウトン・モウロン次期副大統領が、いくつかの面で、ジャイール・ボルソナロ次期大統領の外交戦略と意見を異にする見解を持っていることがわかった。
ボルソナロ氏が親米路線を取り、「共産主義」ということでかねてから嫌悪感を示している中国とは距離を置きたがっていることに関し、モウロン氏は、「わが国の輸出の34%は中国が占めている。その道を閉ざすことはできない」し、「中国はブラジルを買いあさってなぞいない」と語った。
また、パウロ・ゲデス次期経済相が、「対南米でメルコスルを優先する必要はない」と語ったことに関しても、「メルコスル内での通商合意を破棄する前に隣国と話し合い、慎重に対処しなければならない」と語った。
さらに、ボルソナロ氏が「イスラエルの大使館をエルサレムに移したい」と語り、アラブ諸国の反感を買ったことに関しても、次期副大統領は「気をつけて発言をしないとテロの標的にされてしまうぞ」と発言した。
また、次期外相のエルネスト・アラウージョ氏が「地球温暖化と騒ぐのはマルクス主義の仕業」と語った件についても、「温暖化は確かに起きている。マルクス主義などではない」といさめた。
モウロン氏は大統領選期間中にボルソナロ氏が入院していた9月に、後援会で「13月給をなくす」「新憲法のために議会は必要ない」などの問題発言を繰り返し、ボルソナロ氏が火消し役に回る場面が見られた。