日伯協会(三野哲治理事長、本部=神戸市)の会報『ブラジル』第981号を見ていたら、兵庫県立美術館で9月、アンドレ・コレイア・ド・ラーゴ駐日ブラジル大使(当時)がした講演内容が掲載されていた。いわく《大統領府にはブラジル固有の植物を使った日本人の手による庭園があり、そこではブラジルの文化と日本の文化が共存している》と締めくくったそう。それを読んで、すぐにピンときた。以前、首都のコチア青年の荒木茂高さん(故人)から、「パラシオ・デ・アウボラーダ(大統領公邸)の裏には、実は立派な日本庭園があった。日本人の草分けの一人、小野山三郎(兵庫県人)という農業技師がいて、庭師の仕事をしていた関係で、彼はジュッセリーノ・クビチェッキ(大統領)とベンアミーゴだった」との話を聞いたのを思い出した。まさに大統領と兵庫県人農業技師の友情が生み出した「文化共存」のようだ。