原油の国際価格が急落し、石油公社ペトロブラス(PB)の業績、株価に影響が出ていると、24日付ブラジル国内各紙が報じた。
原油価格の急落は、世界経済の冷え込みへの懸念拡大と、世界供給量が需要を上回る見込みとの報道によって起きた。23日のブレント石油価格は、前日比6・07%安の1バレル=58・8ドルを記録、10月のブレント石油は一時、1バレル=86ドルに達していたから、当時と比較すると、約32%安だ。
原油価格の下落はPB株にも如実に影響。10月30日は3840億レアルだった時価総額は、今月23日には3350億レに下落。下げ幅は13%、額面で490億レ分が失われた。
23日のPB株は、議決権のある通常株が2・34%安の26・69レ、議決権のない優先株が3・10%安の24・37レで引けた。
「PB株の下落には原油価格の下落や世界経済の冷え込みへの懸念も影響しているが、最も大きく影響したのはコモディティ価格全体の下落」と、金融商品取引仲介所、ミラエ・コレトーラ所属の分析員、ペドロ・ガウジ氏は語る。
また、別の投資コンサル会社の主席エコノミストも、「原油の落ち込みは10月半ばに始まったが、市場がPBの財政調整策を評価したのと選挙後への期待で、株価への影響は小さかった。しかし、世界経済の冷え込み懸念がコモディティ価格を全体的に下げ、原油価格が再び急落した影響は避け難かった」としている。