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「東南アジアに似た盛り上がり」=日本の投資企業がブラジル初視察=CAベンチャーズ北尾さん

CAVの事業内容を説明する北尾さん

CAVの事業内容を説明する北尾さん

 インターネット系のベンチャーキャピタル(以下VC)である「サイバーエージェントベンチャーズ(CAV)」社の北尾崇(きたおたかし)インベスト・マネージャーが11月20から23日まで滞伯し、当地スタートアップ(新しいビジネスモデルを作って、短時間で急激に成長することを狙う事業グループ)を視察した。
 北尾さんは22日、投資家向けに行われたブラジルベンチャーキャピタル社(中山充代表)主催のイベントに参加。ブラジル視察を行なった北尾さんに日本のスタートアップ概要、ブラジル市場の投資機会について取材した。
 CAV社の投資先は17社程度。アジアを中心に当地社員で構成した海外拠点を立ち上げ、ネットワークを広げている。北尾さんはブラジルの雰囲気について「07、08年頃東南アジアに入ったが、その時と似た雰囲気を感じるので面白そう」と好感触を示した。
 また「例えばeコマース(電子商取引、インターネット上での買い物など)についても、日本ではコンビニやデパートなど家の近くですぐに買い物ができるなど便利になっている分、eコマースなどデジタル産業が入りにくい。反対に、渋滞がひどく店舗も少ない国では店舗までの移動が負担になるため、eコマースが伸びる下地がある。ブラジルもそんな風に、デジタル産業が介入する余地がある印象を受けた」とし、「ブラジルはインターネット利用者も多く、良い傾向はあるので、各分野の状況については今後調査する」と語った。
 ブラジルではNASDAQに上場したスタートアップが7社存在し、日本では1社、インドネシアで4社。北尾さんは「莫大な企業価値を持つ企業が出たこと、フェイスブックやインスタグラムなどの主要幹部にブラジル出身の人がいることも知り、今後当地でどんな人材に会えるか楽しみ。チャレンジ精神が強い人も多く面白い市場」と語った。
 北尾さんは大阪大学在学中にメキシコで行なわれたビジネスコンテストで優勝し、起業のために休学。同国の衛生問題改善のため、高い除菌技術を持つ企業のノウハウを活かし、現地向けの製品輸出、販売事業を行った。現在、同社は日本企業のメキシコ進出支援事業を行っている。
 2016年に同地を離れ帰国、同年4月にCAVに入社した。