ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》ボルソナロが新閣僚3人を新たに発表=テメル政権前大臣のテラ氏ら=省庁削減は結局22まで=マグノ選外で福音派不満

《ブラジル》ボルソナロが新閣僚3人を新たに発表=テメル政権前大臣のテラ氏ら=省庁削減は結局22まで=マグノ選外で福音派不満

テラ氏(Marcelo Camargo/Agência Brasil)

テラ氏(Marcelo Camargo/Agência Brasil)

 ジャイール・ボルソナロ次期大統領は28日、新たに3人の閣僚の指名を行った。今回は、テメル大統領の民主運動(MDB)の下議の名前が初めて挙がった。なお、ボルソナロ氏が削減を約束した省庁数は、結局22になりそうだと29日付現地紙が報じている。

 28日に指名されたのは、統廃合で新設される市民相にオズマール・テラ下議(MDB)、国家統合省と都市省を統合する地域開発相にグスターヴォ・エンリケ・カヌート氏、観光相にマルセロ・アルヴァロ・アントニオ氏の3人だ。
 テラ氏は80年代来のMDB党員で、テメル政権では16年5月から今年4月まで、農業社会開発相をつとめていた。
 MDBが「ボルソナロ政権で連立を組むのでは」という憶測も出ているが、それはまだ決まっておらず、テラ氏自身も政党人事を否定している。同氏は「おそらく、私が下院で展開している子供や高齢者の難病に対する援助活動が認められた結果ではないか」と語っている。
 テラ氏は、スポーツ省と文化省と社会発展省の3省を統合した市民省を統括する。
 カヌート氏は現在、国家統合省副大臣に相当する官僚で、4月まではMDBの大物政治家ジャーデル・バルバーリョ氏の息子でパラー州次期知事となったエルデール・バルバーリョ氏の下で、また、現在はアントニオ・デ・デウス・アントラーデ氏の下で、同省の業務を統括している。
 同氏は、都市省と国家統合省と合併した地域開発省を管轄する。
 もうひとりのアルヴァロ氏は、ボルソナロ氏と同じPSL所属で、ミナス・ジェライス州選出下議だ。同氏は、政党や州からの推薦ではなく、下院での活動の結果、選ばれたのではないかと見ている。観光相には当初、ボルソナロ氏と旧知の企業家、ジウソン・マシャド氏が予想されていた。
 これで、中銀総裁も含めたボルソナロ次期政権の閣僚予定者は19人となったが、ボルソナロ氏が目標にしていた「現状で29ある省庁を15まで減らす」との公約は果たせず、22に収まることになりそうだ。
 なお、今回の組閣で、議会の福音派がボルソナロ氏への不満を示している。それは、同派が推したマグノ・マウタ上議(共和党・PR)やマルコ・フェリシアーノ下議(キリスト教社会党・PSC)が入らなかったためだ。
 特にマウタ氏は、ボルソナロ氏の副候補にも決まりかけ、大統領選中もボルソナロ陣営の中核のひとりでもあったため、入閣が確実視されていたが、児童虐待の嫌疑がかけられたのが影響した。