「帰ってきましたよ。みなさ~ん、ぜひ聞きにきてください」――NHKの歌番組に出演するなど活躍する、「日本魂、演歌を歌いにきた情熱の男」非日系ブラジル人演歌歌手、エドアルド(34)が29日朝来社し、30日晩の慈善ディナーショーなどへの来場を呼びかけた。
訪日したキッカケを問うと、「10年前に母が家の前で強盗に襲われ、それがトラウマになりました。もっと安全なところへ住みたい。それなら日本がいい。そこで歌手になる夢を叶えたい。そう思って訪日しました」との答え。8年前に日系養母とともに訪日し、リオ五輪の前年2015年10月に夢のプロデビューを果たした。
「日本の方と話していて『最近日本も治安が悪くなった』とか聞きますが、ブラジルはケタが違う。僕は日本こそが自分の居場所だと日々感じています」としみじみ語った。
さらに「47都道府県の半分は歌いに回った。苦労がないといえばウソになりますが、移民の皆さんが昔ファゼンダでした苦労とは比べ物になりません」と、まるで日本人のようなスラスラとした日本語で豪快に笑い飛ばす。
ディナーショーでは新曲「じょんがらひとり旅」に合わせて、股旅姿を披露する。「CDジャケット撮影で、初めて着た時は、マントが重く重くて三日間肩こりに悩みました」と笑わせつつ、「歌詞は、等身大の私の生き様を歌っています。ぜひ聞いてください」と薦める。異国・日本の芸能界で心の旅を続けるブラジル人青年の心境が演歌にこめられている。
今回の曲で初めてエドアルドの公式グッズ(ファン用みやげ品)が作られ、今回のディナーショーなどでも販売される。「じょんがらセット」は手ぬぐい、絵葉書、缶バッジ3点で35レアル。Tシャツは110レ、CDはシングル50レ、アルバム100レで当日販売される。
2016年にはNHK「新・BS日本のうた」(岐阜県土岐市)に出演したほか、多数の日本のテレビ番組出演。今回日本に戻ってすぐには次のNHK収録が北九州で行われる予定。
エドアルドは「東京五輪の年に、ブラジル代表としてNHK紅白歌合戦に出場することを目指しています」と力強く語った。2年ぶりの帰伯だが、さらに日本語に磨きがかかった。
なお、2日(日)に開催されるブラジル紅白歌合戦の際、午後6時からもエドアルドのショーが行われる。
□関連コラム□大耳小耳
ブラジル日本アマチュア連盟(NAK)の北川好美会長によれば、「来年から『エドアルドをNHK紅白に』署名運動を始める予定」だという。たしかにリオ五輪の次である東京五輪の年に、「ブラジル代表としてNHK紅白に送り込む」のは良いアイデアかも。署名運動が始まったら、ぜひ皆で協力したいところだ。