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サンパウロ市北部=小型機落ち操縦士2人死亡=家屋や車直撃し11人が負傷

小型機に直撃され、黒煙と炎に包まれた民家(G1サイトの記事の一部)

小型機に直撃され、黒煙と炎に包まれた民家(G1サイトの記事の一部)

 11月30日午後4時前、サンパウロ市北部のカーザ・ヴェルデ区カンポ・デ・マルテ空港にほど近い民家に小型機が墜落し、正副操縦士2人が死亡、住民ら11人が負傷する事故が起きたと1日付現地紙が報じた。
 墜落したのは、5時55分にカンポ・デ・マルテ空港を飛び立ち、ジュンジアイーに向かったセスナ210型機だ。目撃証言によると、同機は離陸直後に必要な高度に達せず、そのまま墜落。墜落現場は滑走路の端から約500メートル先のブラス・レメ大通り脇のアントニオ・ナシメント・モウラ街の民家で、墜落後に事故機が爆発炎上、民家も一瞬の内に黒煙と炎に包まれた。
 傍のガソリンスタンドが直撃を免れたため、より広範な被害や犠牲者が出る事は避けられたが、少なくとも民家3軒と複数の車が、一部損壊などの被害を受けた。
 事故原因はエンジンの故障と見られていが、事故機は正式な運行許可を得ており、保守点検も定期的に受けていた。この事故で、ギリェルメ・ペイショット・ムルバキ氏(26)とレオナルド・カズヒロ・イマムラ氏(43)の2人が死亡した。
 通行人ら11人の負傷者中、6人はタツアペ、ヴィラ・ペンテアド、サマリタノの三つの病院に運ばれた。タツアペに運ばれた2人は治療後に帰宅。サマリタノに運ばれた8歳女児も2日午後、退院許可が出ている。
 同空港周辺では、20017年11月14日と2016年3月19日にも、小型機が民家に墜落する事故が起きている。住民の多くは度重なる事故に懸念を隠せない。
 航空事故防止センターによると、2008年にサンパウロ市で起きた航空機の墜落事故は109件で、死者は58人だったが、今年は既に152件の事故が起き、77人が死亡している。今年の事故件数と死者数は17年より増えており、セスナ210型機による事故は4番目に多いという。
 サンパウロ市は2017年に、同空港の用地を市立公園や飛行機博物館として利用する構想を打ち出している。だが、同空港が空軍や空港インフラ業務公社の管轄下にある事や、空港を移転させる場所がない事もあり、構想はほとんど進展していない。