「外国に不動産を買って、その国のビザを得る」―。近年この手法はブラジル国外に移住を試みる富裕層ブラジル人にとって魅力的な選択肢の一つに浮上していたが、これとは逆に、外国人がブラジルに不動産を買って、ブラジルのビザを得ることも可能になった。
ブラジルでこの措置が導入されたのは11月末で、ポルトガルが導入している黄金ビザから着想を得ている。ポルトガルの場合は50万ユーロ(6400万円相当)の不動産購入が条件だが、ブラジルの場合は、北部7州、北東部9州の場合は70万レアル(2100万円相当)、他州では100万レアル(3000万円相当)の不動産購入が条件となる。
購入する不動産は、住宅でも商業用でも構わないが、都市型不動産でなければならず、農業用または牧畜業用地に囲まれた建物、農村型不動産の購入ではビザは取得できない。不動産の購入手続きはブラジルの銀行を通じて行う必要がある。
購入者には2年の期限付きビザが与えられ、その期間、不動産が同じ所有者に保持されると、永住ビザに切り替わる。
新移民法が昨年施行されたことで、この措置は生まれた。不動産を購入した外国人は30日以上ブラジルに居住する必要がある。また、4年以上経つとブラジル国籍の申請も可能だ。
国家移民審議会(CNIg)のウーゴ・ガッロ・ダ・シウヴァ会長は、この手法により、国外投資家がブラジルに入り、経済活動を行うことが容易になるだろうとしている。
移民法改正までの外国人向け投資家ビザは、不動産購入ではなく、「ブラジル国内で会社を設立し、その会社に資本金を投入する」という手順を踏む必要があった。この方法だとビザ取得にはより時間がかかり、煩雑な手続きが必要だった。
ビザ取得関連の問題に詳しい弁護士は、不動産ビザの設定により、ブラジルは外国人からの投資をより簡易にした国々の仲間入りをしたと評価している。(4日付エスタード紙より)
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