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ブラジル地理統計院=北、北東部は住民の半数が貧困層=極貧者が増加し、人口の7%強に

上下水道やゴミ回収などの基本的なサービスが受けられていない人も多い(イメージ映像、Fernando Frazão/Agência Brasil)

上下水道やゴミ回収などの基本的なサービスが受けられていない人も多い(イメージ映像、Fernando Frazão/Agência Brasil)

 ブラジル地理統計院(IBGE)が5日、昨年は人口の26・5%にあたる5480万人が貧困者だったと発表したと同日付現地紙サイトが報じた。
 16年の貧困者数は5280万人(人口の25・7%)だから、17年は4%(200万人)増えたという。
 これに対し、極貧者数は、1350万人(人口の6・6%)が1530万人(同7・4%)にと13%増えた。17年の総人口は2億700万人で、16年の2億530万人比0・8%増だから、貧困者や極貧者が大幅に増えた事になる。
 IBGEのアンドレ・シモンエス氏によると、貧困者や極貧者増加は、失業率が高止まりし、所得減を招いた事が主な要因だという。17年の国内総生産(GDP)は小幅な伸びだった上、農牧業に牽引されていたため、他業種の雇用増につながりにくかった。
 極貧とされたのは、1日あたりの所得が1・9ドル(月額140レアル相当)未満の人。貧困とされたのは、1日5・5ドル(月額406レアル相当)未満の所得の人だ。この区別は世界銀行の基準に基づいている。
 貧困者の分布を地域別に見ると、2500万人以上の貧困者は北東部に住んでいる。北東部は住民の44%が貧困層に分類された。一方、南部の貧困者は住民の12・8%の380万人、南東部では17・4%にあたる1520万人だった。
 人口に占める極貧者の比率は、北東部14・7%、北部11・8%、南東部3・8%、中西部3・6%、南部2・9%だった。
 州人口比での貧困者最多はマラニョンの54・1%。アクレ、アマゾナス、パラー、アマパー、ピアウイ、セアラー、アラゴアス、バイアの各州も45~49%が貧困層に属していた。貧困者最少はサンタカタリーナの8・5%で、他州では最低13・5%以上が貧困者だった。
 住環境に何らかの問題がある人は2700万人(人口の13%)おり、ごみ回収が行われていない人10%、家に水道が届いていない人15・1%などとなっている。
 IBGEは、極貧撲滅には月12億レアルが必要と試算。月102億レアルあれば、全ての貧困者をなくせるという。