《ブラジル》ボルソナロ氏が次期人権局長にダマレス氏指名=中絶反対の福音派女性牧師=保守イメージの否定に躍起も=先住民は早速抗議を開始

ジャイール・ボルソナロ次期大統領は6日、新設の女性家族人権相に福音派牧師のダマレス・アウヴェス氏を指名した。女性では2人目の次期閣僚入りだが、早速物議をかもしている。6日付現地紙が報じている。
ボルソナロ氏は福音派議員たちの要望に応える形でダマレス氏を指名した。福音派はこの指名に満足は示したが、彼女の名は彼らの第一希望の名前ではなかった。
福音派は当初、ボルソナロ氏の副候補に名前が挙がり、ボルソナロ氏が暴漢に襲われた後に広報的な役目を果たすなど、選挙キャンペーン中もつきっきりだったマグノ・マウタ上議(共和党・PR)の閣僚入りを信じ、大臣枠が残り二つになっても同氏入閣の可能性を疑っていなかった。
だが、ボルソナロ氏は5日、選挙期間中の尽力に感謝しつつ、「現時点で適切な人材とは思わない」とし、入閣の可能性を否定した。その背景には、未成年女子へのわいせつ行為で同氏が告発した男性が無罪とされたことや、選挙期間中に小型機を使ったが申告していなかったこと、自らの入閣の可能性を言いふらしていたことなどがある。
上議選で落選した上、入閣も果たせなかったマグノ氏は失望を隠せずにいるが、ダマレス氏は同氏の側近だった。
さらに、ダマレス氏は「中絶には一切反対」との立場を取っている人物で、「女性の権利」の促進を目指す省の長として適切なのか、という世論もある。また、この指名のかなり前から就任が噂され、メディアでは「福音派で超保守の女」のイメージが先行していた。
6日に次期官房長官のオニキス・ロレンゾーニ氏らと会見したダマレス氏は、そうした噂を取り消すように「女性の給与は男性と同じであるべきだ」「LGBTの団体とも良好な関係を築いて行きたい」とし、自身が職務にふさわしいことをアピールした。
だが、「自分の省の問題ではない」としながらも、妊娠中絶に関しては相変わらず、「プロ・ライフ」の立場から反対を唱えた。ブラジルでは、妊婦の体に死の危険性がある場合、胎児が無脳症の場合、強姦による妊娠である場合に限り、妊娠中絶が合法となっている。
これに加え、ダマレス氏が「これからは教会が国を治める時代」とも発言したことが、現地紙の見出しを飾っている。
また、これまでは法務省の管轄だった国立インジオ保護財団(FUNAI)が女性家族人権省の傘下となった。先住民団体はこの件に対する不満を示し、6日に抗議運動を起こしている。先住民たちは、ボルソナロ氏自身がかつて発言した「先住民の居住区など1センチ平方たりとも増やさせやしない」との言葉や、決選投票時やその後に先住民保護区襲撃などの事件が続いていることにも不満を持っている。
ダマレス氏は先住民居住区の問題に関しても、「今後、話し合いの必要がある」と語った。