ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》ボルソナロ氏の長男の運転手に不審な金の動き=1年で120万レアルも=妻や娘2人も職員に採用=次期大統領夫人に小切手支払も

《ブラジル》ボルソナロ氏の長男の運転手に不審な金の動き=1年で120万レアルも=妻や娘2人も職員に採用=次期大統領夫人に小切手支払も

フラヴィオ氏(中央)(Wilson Dias/Agência Brasil)

フラヴィオ氏(中央)(Wilson Dias/Agência Brasil)

 5日頃から、ジャイール・ボルソナロ次期大統領の長男で次期上議のフラヴィオ氏がリオ州議として雇っていた職員のうち、中心人物ともいえる元運転手が、疑惑の金銭授受を行っていた可能性が取り沙汰されている。さらに、同運転手がボルソナロ氏のミシェル夫人へ疑惑の小切手支払を行っていたことも判明した。6~8日付現地紙などが報じている。

 まずフラヴィオ氏だが、金融活動管理審議会(COAF)の報告書では、同氏がリオ州議として雇っていた運転手兼警備員で軍警のファブリシオ・ジョゼ・カルロス・デ・ケイロス氏が、2016年1月から17年1月までに、フラヴィオ氏の側近に当たる人物7人とのやり取りも含め、約120万レアルもの金を動かしていたことが指摘されている。
 これはリオ州ラヴァ・ジャット作戦から派生した「オンサ・ダ・フルナ作戦」の捜査で明らかになったものだ。同作戦は11月8日に実行され、10人のリオ州議が逮捕されている。容疑は、リオ議会での支持と引き換えに企業などから毎月賄賂を受け取っていた、いわゆる「メンサロン」と呼ばれる類の犯罪だ。
 フラヴィオ氏、ケイロス氏はこの作戦の捜査対象ではなかったが、同件の捜査過程で州議会に登録されている職員の口座を調べたところ、ケイロス氏の口座に不審な動きがあったことが明らかとなった。同氏の月給は2万3千レアルだが、彼の個人資産は70万レアルに上っている。
 さらに、フラヴィオ氏はケイロス氏以外に、同氏の妻や娘2人も職員として雇っていた。彼女たちは、前述の「ケイロス氏と金のやり取りがあった7人の職員」の中に含まれている。
 娘のひとりのナタリアさんは、16年12月付でフラヴィオ氏の職員を辞し、ボルソナロ氏の職員として雇われている。ナタリア氏は有名芸能人を顧客に持つインストラクターでもあり、この10月15日に彼女はボルソナロ氏の職員を辞めている。父ケイロス氏がフラヴィオ氏の職員を辞めたのも同じ日だ。ナタリア氏は16年に、ほぼ1年分の給与総額に当たる8万4100レアルを父に振込んでいる。
 また、ケイロス氏の口座は、16年だけで176回の引き落としや口座振替などが記録されていた。多いときには1日に5回、計1万8450レアルが引き落とされたこともあった。
 さらに、ケイロス氏が2万4千レアルの小切手をボルソナロ氏夫人のミシェル氏の口座に振り込んでいたことも確認されている。
 ボルソナロ氏は7日、この小切手に関し、「ケイロス氏は軍学校時代からの知り合いで、個人的に金を貸していた。その返金だ」と説明した。