ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》ボルソナロ氏長男=元運転手口座の疑惑深まる=振込みはなぜか給料日に=本来の給与より遥かに高額=20州議と同じ汚職体制?

《ブラジル》ボルソナロ氏長男=元運転手口座の疑惑深まる=振込みはなぜか給料日に=本来の給与より遥かに高額=20州議と同じ汚職体制?

フラヴィオ氏(Rafael Wallace/Alerj)

フラヴィオ氏(Rafael Wallace/Alerj)

 【既報関連】ジャイール・ボルソナロ次期大統領の長男でリオ州議のフラヴィオ・ボルソナロ・リオ氏(社会自由党・PSL)の元運転手を巡る不審な金の動きが注目されている。続報では、元運転手の口座に関するさらなる疑惑や、不審な動きが発覚する元となった、リオ州議会内での議員たちの金の動きの様子が明らかになってきている。12日付現地紙が報じている。

 フラヴィオ氏の運転手だったファブリシオ・ジョゼ・カルロス・デ・ケイロス氏が2016年1月からの13カ月で、職員給を超える約120万レアルという金額を動かしていた事実は11日付本紙でも報じたが、さらなる詳細が明らかとなってきている。
 金融活動管理審議会(COAF)によると、全部で59回行われたケイロス氏の口座への振込みの内、34回までが職員たちの給料日に行われていたという。また、残りの内、19回は給料日から3営業日以内に振り込まれていたという。
 たとえば16年1月12日には、4400レアル、5566レアル、1771レアルの3件の振込みが行われた。また、同年4月には、14、15日に3回、計1万3471レアル、5月には、11日、12日、16日に5回、計1万3302レアルが振り込まれた。
 ケイロス氏はまた、振込みがされた日またはその直後に、5千レアルずつ、または5千レアルを数回という形で現金を引き落としていた。
 同氏の口座を巡る疑惑が表面化した契機は、リオ州議への毎月の贈収賄疑惑捜査「フルナ・ダ・オンサ作戦」に関連し、COAFが行った予備調査の報告書だ。
 COAFの調査では、フラヴィオ州議の現・元職員少なくとも9人が、ケイロス氏の口座に金を振り込む、または、同氏の口座経由で金を受け取るという形で関わっていたことが判明している。9人中3人はケイロス氏の妻と2人の娘であるため、支払不正に加え、フラヴィオ氏が幽霊職員を雇っていた疑いが浮上している。ケイロス氏は、同件に関して無言を通している。
 COAFの捜査では、16年にはリオ州議21人に不審な金銭の動きがあったことも明らかとなった。21人を政党別に見ると、労働者党(PT)や社会主義自由党(PSOL)などの左派、民主運動(MDB)などの中道、キリスト教社会党(PSC)や民主党(DEM)などの右派など、政党イデオロギーには関係ない。指摘された議員の数は、どの政党も多くて2人だった。
 不審な動きがあったとされる金額が最も多かったのは、州議会議長代行で、議長再選の可能性も高いアンドレ・セシリアーノ氏(PT)の4930万レアル。2番目に多いパウロ・ラモス氏(PSC)は、次期リオ州知事のウィルソン・ヴィッツェル氏(PSC)の右腕的存在となると見られている人物だ。
 フラヴィオ氏は、17番目に多い、130万レアルの金の流れを指摘されている。