9日、サンパウロ市東部の日本人会館で、橘和音楽教室による「第13回友好の1日」が開かれた。昨年から12月第2日曜開催となった行事は、バンドで歌う人とキーボードの生徒の演奏、コーラスと盛り沢山。普段はカラオケで歌う人も、今年は全員(90人!)がバンドの生演奏で歌った▼今月は、日本移民110周年の最終事業とされた日本アマチュア歌謡連盟のバンドによる紅白歌合戦が2日、フレンズというバンドによる紅白歌合戦が16日と、バンド演奏でのイベントが続く。その最中に、音楽教室の生徒ではない人も押し寄せるのが「友好の1日」だ。歌い手との練習は1度だけだが、家族で組むバンドだけあり、各出場者が歌う曲を各自で聴き、家族だけで集まって練習するなど、歌い手が歌い易い演奏を常に心がけてくれる。「他の人に拍手してもらうなら、他の人にも拍手してあげて」という保江氏は、「参加者が空腹で帰らないで済むよう、何か持って来て」と頼む、思いやりの人だ。「(40年以上前)15歳で参加した初の喉自慢で演奏していたバンドにいたのがギター奏者のオズワルド氏で、マンドリン奏者の保江氏も一緒にいた」と語る参加者もいた。音楽教室と3代続く縁がある家族が、ある歌い手が別の年に歌った曲を覚えていて、「あなたが前に歌ったあの曲も良かったわよ」と話していたり▼橘和家の人々を軸とする大きな家族の中で憩う1日は、内外のカラオケ仲間の親睦の場となると共に、次の世代が育つ様子が見られる場所でもある。赤ちゃんから90代の人までが集まる音楽三昧の1日は、今から「来年が待ち遠しい」と思わせる魅力たっぷりの1日だった。(み)