樹海

ボウソミニオンはどこまでついて行く?

ボルソナロ氏とフラヴィオ氏(中)(Wilson Dias/Agência Brasil)
ボルソナロ氏とフラヴィオ氏(中)(Wilson Dias/Agência Brasil)

 ジャイール・ボルソナロ次期大統領が就任するまであと3週間を切る段階になった。閣僚の組閣も「第1弾」と呼ばれる中核的人物たちもすでに指名済の状態となっている▼「この政権がどういう政治を行なうか」に関しては相変わらずハッキリとは見えない。だが、コラム子の現在の興味はこの政権そのものよりも、ボルソナロ氏を熱狂的に支える、その名も「ボウソミニオン」と呼ばれる信者たちが政権がはじまってからどうなるかにある▼この「ボウソミニオン」の名前の由来は、子どもたちに世界的に大人気のアニメ映画「怪盗グルー」シリーズに登場する、主人公グルーを支える無数の子供っぽい黄色い生物のキャラクターだ。いつからこの呼び名がついたのかは定かではないが、コラム子の記憶だと、大統領選の1年くらい前には既にあったように思う▼ボルソナロ氏の当選は、このボウソミニオンたちの力によるところが非常に大きい。ニュース系サイトのあらゆるコメント欄に登場する彼らは、ボルソナロが物議をかもす言動やメディアによる批判が行なわれた際は必ず弁護に回る書き込みを行なう。政敵に汚職などが見つかればボルソナロ氏に代わって徹底的に攻撃を行なった。この彼らの熱心かつ根気強い忠誠心は、他のどの政治家にも存在しない特異なものだ。それが彼を当選させただけでなく、上院や下院、州知事、州議員までも彼の支持者でいっぱいにする現象に拡大してきた。こういう、ネットで火がついた特定政治家の国民的人気は、歴史的に見て例が少ないので貴重だと言えよう▼ただ、コラム子が気になるのは、そうした熱気が、いざ与党となった際に4年続くのか、ということだ。政権を狙う間は、まだ見ぬ夢があるから、不利なところも美化できる。だが、いざ、それが「夢」でなくなり、期待していた「現実」が思ったようにいかなかった場合、彼らがどういう行動をとるかだ▼当選後の2カ月で、その「現実」がすでにはじまっている。コラム子には今のボウソミニオンたちの行動がすごくほほえましく見える。とりわけそれは、ボルソナロ氏が割と頻発させている「前言撤回」に関してだ▼とりわけそれは、環境省や労働省などを廃止にするかしないかで出たもので、彼らはボルソナロ氏の言動いかんで「そんな省の存在は支出の無駄だ」と言ったかと思えば「いや、やはり社会のためには必要だ」とコロコロと意見を変える。傍で見ていると頼りなくはあるのだが、「正月になれば新政権がはじまる。夢が叶うんだ」という、彼らなりの純真さは感じる行為ではある▼ただ、そんなボウソミニオンたちでも、コメントを読んでいて「ちょっと弁護に苦しんでいるな」と思える場面も、もう既に少なくない。たとえば、組閣の際に、連邦警察から捜査を受けた経験のある政治家の登用などについての時だ。とりわけ、次期官房長官のオニキス・ロレンゾーニ氏の、自身さえその事実を認めたJBS社からの秘密口座での収賄疑惑に関して言えば、擁護している人もほとんど見かけない。彼らも内心、「早く切ってくれないか」と思っているのかもしれない▼そして、ここに来て、次期上議のボルソナロ氏長男、フラヴィオ・リオ州議のスキャンダルの浮上だ。雇っていた元運転手に謎の収入疑惑があり、その支払人には、同じくフラヴィオ氏に雇われていたことになっていた運転手自身の妻と2人の娘の名もあったという。これにはさすがに弁解の言葉が出にくいのか「・・でも、労働者党(PT)はもっと国民の金を盗んでいるんだぞ」なる弁明が登場。それがネット上でのジョークにもなりはじめている▼こうしたスキャンダルは、政権がはじまっても浮上してくるであろう。信じていたボルソナロ氏に裏切られたと感じたとき、「もう、政治家の汚職なんてまっぴらだ!」と叫んで回っていたボウソミニオンたちは果たしてどうでるか。見ものだ。(陽)

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