ブラジルの有力紙オ・グローボに16日、死刑制度の制定を擁護する、エドゥアルド・ボルソナロ下議(PSL・社会自由党)のインタビューが掲載された問題で、ジャイール・ボルソナロ次期大統領(PSL)は、自身の任期中は死刑制度についての議論は行わないとの姿勢を示したと、17日付現地各紙が報じた。
ジャイール・ボルソナロ次期大統領は16日早朝に、「死刑は憲法で禁止されているだけでなく、元々私の公約に含まれていない。事が大げさになる前に、この問題には終止符を打つ」とツイートした。
インタビュー記事の中で、エドゥアルド・ボルソナロ下議は、凶悪犯や薬物密売の刑罰として、死刑を採用すべきかを問う国民投票を実施することを擁護し、「国民が望むならば、(死刑は)法制化できる」と語っていた。同下議は、死刑が適用される罪に、保健医療に割り当てられるはずだった公金の横領を含めてもよいと語った。
同下議は、「死刑を禁じた憲法第5条の存在は知っている。しかし、『正式に宣戦布告が行われた戦時中は例外』という条文もある。『凶悪犯はこの限りではない』との条文も加えても良いのでは」と語っている。
今年1月に行われたダッタ・フォーリャの調査では、サンパウロ市民の57%が死刑に賛成だった。2008年の調査では賛成は47%だった。
調査実施機関によると、57%との数字は、1991年に死刑に関する質問が行われ始めて以来最大だ。また、ブラジルでは1861年を最後に死刑は執行されていない。