【既報関連】リオ州検察局は17日、金融活動管理審議会(COAF)の報告に基づき、同州議会の議員秘書らが絡んだ不審な金の動きに関する調査を開始した。対象とされている人物は22人で、少なくとも20人は議員秘書や職員だ。その中には、ジャイール・ボルソナロ次期大統領長男のフラヴィオ氏(共に社会自由党・PSL)の元運転手、ファブリシオ・ジョゼ・カルロス・デ・ケイロス氏の名も含まれている。18日付エスタード紙が報じている。
リオ州議会を巡る贈収賄汚職疑惑では、連邦検察庁が14日に、元知事のセルジオ・カブラル氏や、フルナス・ダ・オンサ作戦で捕まった州議員10人など、計29人を起訴した。
他方、州検察局の対象は州議員秘書らで、その中にはケイロス氏も含まれている。同氏の口座では16年1月から17年1月に、現金で約120万レアルに上る不審な流れがあった。また、ボルソナロ氏の妻のミシェレ氏に2万4千レアルの小切手が支払われたことも指摘されている。
検察局は、秘書らの不審な金の動きに議員も関係していたかなどを捜査する意向だ。
ケイロス氏への現金の支払いは、フラヴィオ氏が雇っている別の秘書ら7人が、給料日かその翌日に現金で入金していたとされている。その中にはケイロス氏の妻や同氏の娘2人も含まれていたことが判明しており、フラヴィオ氏の幽霊職員採用疑惑も広がっている。
また、その「疑惑の職員」のひとりで、ケイロス氏の娘であるナタリア氏に関する疑惑も深まっている。彼女は有名芸能人のインストラクターだが、フラヴィオ氏の職員としての給与も支払われていた。COAFによると、彼女は捜査対象期間中、父親の口座に9万7641・20レアルを振り込んでいる。15日付エスタード紙によれば、この額は、彼女が同期間中にリオ州議会から受け取った給与の99%にあたるものだという。
ナタリア氏は07年9月から16年12月にフラヴィオ氏の職員として働いた。COAFが指摘したケイロス氏の口座での不審な動きは2016年からの13カ月間のものだが、それ以前にも同様のことが行われていた可能性もある。
また、ケイロス氏の妻のマルシア氏も、同期間中に給与の31%から46%に当たる5万1240レアルをケイロス氏の口座に振り込んでいる。
ケイロス氏の件が発覚して以来、フラヴィオ氏はツイッターなど、SNSでの発言を一切行っていない。17日はジャイール氏と共に、リオ州のバイシャーダ・フルミネンセで「ペルシ・ジェラウド・ボルソナロ軍学校」の開校式に出席したが、そこでもこの件に関する発言は控えた。
また、渦中の人となったケイロス氏も、疑惑発覚後は行方がわからない状態となっており、沈黙を守っている。
COAFが調査したリオ州議会の職員と元職員75人の内、不審な金の動きがあったのは22人で、その額は2億700万レアルに上るという。