ブラジル労働省は20日、11月度の全就労・失業者台帳(Caged)のデータを発表した。それによると11月は正規雇用が5万8700人分と、11月としては2010年以来、8年ぶりの増加を記録したと20、21日付現地各紙・サイトが報じた。「5万8700人分の正規雇用増加」とは、正確には新規の正規雇用者数と、解雇者数を差し引きした結果だ。
11月の結果により、増加分の差こそあれ、11カ月連続での正規雇用増となった。雇用市場の改善は徐々に進んでいることを示している。
労働省の雇用と収入部門長のマリオ・マガリャンエス氏はこの結果を喜び、好調の理由を、年末商戦を見込んだ企業が多くの労働者を雇ったからと分析した。11月は、「商業部門」で8万8587人分、「サービス業」で3万4319人分の正規雇用が増えた。
この2部門だけなら増加は12万人を超えているが、他の6分野では正規雇用が減少した。増加した部門の伸び幅が、他の6部門の減少を補った形だ。
「製造加工業」は2万4287人、「農牧畜業」は2万3692人、「土木建設業」は1万3854人、それぞれ減少した。
労働省は、今年12カ月分の累積は、50万人以上の正規雇用者増になるだろうと期待している。昨年12月から今年11月までの直近12月の累積は、51万7733人の増加だ。
今年の正規雇用が差し引きプラスとなれば、2014年以来4年ぶりの事となる。マガリャンエス氏は、今年が50万人増で終われば、15年~17年の3年間続いた年間累積マイナスが終了し、雇用市場にとっては転換期とも語っている。