テレーザ・クリスチーナ次期農相が21日、食肉加工業者に製品の品質管理を任せる意向を表明した。だが、ブライロ・マッジ現農相が、国内では歓迎しても、国際市場は納得しないとの見解を明らかにしたと22日付現地紙が報じた。
次期農相によれば、農務省職員が食肉加工工場の監査(屠殺前から、解体・製品化まで)を毎日行うというやり方は、加工業者の自主性を損なうから、各業者の自己管理とすべきだという。
無論、管理基準は農務省が定め、屠殺前の動物の状態は監査するが、工場内の監査は加工業者が自ら行うべきだという。時折は工場内でも公的な監査を行うが、この時も農務省職員が同伴する必要はないという。
機材や従業員、製品の質の管理に関して詳細な基準を定め、各業者が責任をもって誠実な監査を行えば、「簡易化=管理の質低下ではないし、可動性が高まる上に経費も節約できる」というのが次期農相の言い分だ。現在は、農務省職員が立ち会えないため、土日の工場稼動は出来ないが、自己管理になれば、土日も生産活動を行う事が可能となるからだ。
次期農相は、今回提唱したモデルは欧州でも採用されているという。だが、17年3月に行われたカルネ・フラッカ作戦では、食肉加工業者が農務省職員に賄賂を払い、政府側の監査官を選んだり、検査データを改ざんしたりしていた事が明らかになり、ブラジル産の食肉や加工食品に対する国際的な信用を失った。同作戦後は、食肉や加工品の輸出に影響が出た他、工場閉鎖を余儀なくされた加工業者も出た。
この件もあり、現農相は、公的機関の監査官が各工場に赴き、毎日監査を行う事は、国際市場の要求事項と改めて発言。加工業者による自己管理は自分も農相就任時に考えたが、カルネ・フラッカ作戦で、この方法では国際社会が納得しない事がわかったと強調した。
現農相によると、米国は今も、公的な監査官が加工工場での監査に立ち会う事を要求している。また、欧州では、監査助手も公的機関の職員である事を要求しているという。現在の監査官と助手計2100人中、1200人(助手)は企業側が採用した人材だという。