ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル世論調査》米国追従に3分の2が反対=次期ボルソナロ政権は、発足前からラブコール

《ブラジル世論調査》米国追従に3分の2が反対=次期ボルソナロ政権は、発足前からラブコール

エルネスト・アラウージョ次期外相(Valter Campanato/Ag. Brasil)

エルネスト・アラウージョ次期外相(Valter Campanato/Ag. Brasil)

 今月18、19日にブラジル国内130の市に住む2077人を対象に行われた、調査機関ダッタ・フォーリャの調査によると、ブラジル国民のおよそ3人に2人が、米国よりの外交政策を採ることに反対と答えた。
 米国寄りの外交政策を採ることは、1月1日に大統領に就任するジャイール・ボルソナロ次期大統領(社会自由党・PSL)と、エルネスト・アラウージョ次期外相が共に提唱している方針だ。
 設問は「ブラジルは他の国々よりも米国との関係を優先すべきか?」というもので、「全く賛成できない」が47%、「部分的に賛成できない」が19%で、この二つをあわせると66%、「およそ3人に2人」の計算になる。
 逆に「全面的に賛成」は15%、「部分的に賛成」は14%で、合計は29%に過ぎない。「わからない」は4%、「どちらでもよい」は1%だった。
 男女別では女性の方が米国追従方針に反対と答えた人が多く、69%が「全く賛成できない」もしくは「部分的に賛成できない」と答えた。男性に限ると、この割合は62%だった。
 年代別、学歴別、収入別に分析しても、どのグループでも「米国追従に反対」が多数派だったが、PSL支持者のグループだけは、「米国追従に賛成」が53%を占めた。
 米国はブラジルにとって、輸出の12%、輸入の15・6%を占め、中国に次ぐ、世界第2位の貿易相手国だ。
 ジャイール・ボルソナロ次期大統領の息子、エドゥアルド・ボルソナロ下議は、11月に米国政府関係者と面会した際、トランプ米大統領の2020年選挙再選キャンペーンの帽子を被った。これは外交上のしきたりとしては異例のことだ。また、アラウージョ次期外相も「ブラジル、米国の関係は天空の高さほどに密接している」とも語っている。
 ブラジルの民政復帰以降、ブラジルと米国の関係は適度に良好な関係を築いてはいたが、蜜月関係とはいい難い。2013年には、当時のブラジル大統領だったジウマ氏のメールを米国が傍受していたことが判明し、ジウマ氏が米国訪問を延期するなどの事件も起きていた。(27日付フォーリャ紙より)