イタチーバ日伯文化協会で会長職を歴任してきた田村昭一さんが、先月26日午前、アチバイア市内病院で老衰により亡くなった。享年90。
1928年3月15日、高知県土佐市生まれ。34年に家族とともに渡伯した。サンパウロ市近郊のモーロ・グランデに入植し、じゃがいも栽培を学んだ。その後、サントアマーロのエンブーラ等を経て、イタチーバに入植。父・武馬は日本人会の創立会員だった。
田村さんは、バタテイロとして農業で成功する一方で、70年からイタチーバ日伯文化協会で会長職を歴任。コチア産業組合評議員を務めた他、ブラジル高知県人会副会長、ブラジル土佐市会会長を務め、イタチーバと土佐市の姉妹都市提携実現に尽力した。
また、山岳信仰に熱心で、スザノ市にある石鎚神社奉賛会会長も務めていた。
こうした長年の地域社会、日伯交流に対する貢献を称え、71年には伯政府よりコートマガリャンス勲功章、2011年には文化功労賞を受賞。また、98年に外務大臣賞を受賞したほか、03年には高知県知事から感謝状が授与されている。