昨年のサッカー全国選手権1部、2部あわせて40チーム中、25チームのスポンサーとなっていた、ブラジルの国営銀行CAIXAが、今年はどのチームともスポンサー契約を更新しないと発表。多くのチームは新規スポンサー探しに苦労している。
CAIXAは、最も広告効果の高い、ユニフォームの胸の部分に社名を入れる契約を25チームと結んでいた。
当然ながらチームごとに広告効果が違うため、スポンサー料は、1部の人気チームフラメンゴの年間3260万レアル(約9億8千万円)から、2部の下位チーム、サンパイオ・コレイアの150万レアル(約4500万円)まで、大きな差があった。
フラメンゴの次にスポンサー料が高かったのは、1760万レアル(約5億2千万円)のサントスFCで、3位は1680万レアル(約5億円)のクルゼイロだった。
ブラジルは今年1月1日に新政権が発足し、経済政策の舵取りも、新自由主義者のパウロ・ゲデス氏に託された。
ゲデス氏は7日、国営銀行であるCAIXAの新総裁就任式典において、「サッカーチームのスポンサーになるより、ずっと少ない資金でずっとましなことができるものだ」と語っていた。
「税金を引かれれば、チームに入る金は毎月10万レアル(約300万円)程度だった。ゲデス大臣、どうぞご心配なく」と、今年の全国1部昇格を決めているCSAのテノーリオ会長は気丈に語っている。
だが、同様に今年1部に昇格するフォルタレーザのパス会長は、「打ち切りは辛い。CAIXAからの金をあてにしていた」と語っている。
CAIXAは昨年、サッカー界へ、広告資金の形で1億9170万レアル(約57億5千万円)を投入した。この中には個別のチームへのスポンサー料だけでなく、7州の州選手権と二つの地方大会へのスポンサー料も含まれている。
1980年、90年代はコカ・コーラなどの世界的企業が、2000年代初頭には自動車メーカーらが、こぞってブラジルのサッカーチームのユニフォームに社名を入れたがった。だが、現在は、各チームの営業担当者が、広告収入を得るため、小規模企業を訪問して歩いている。
最近では大企業はユニフォームではなく、TVのサッカー放送に投資する傾向がある。
昨年は3番目に高額のスポンサー料をCAIXAから受け取っていたクルゼイロは、今年もユニフォームの胸の部分も含めたスポンサー契約の締結完了間近と強気だが、多くのチームは資金繰りに不安を抱えたまま、来週からの州選手権開幕を迎える。(9日付フォーリャ紙より)
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