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《ブラジル》銃規制緩和問題=大統領令は来週中にも=旗振り役は大統領の三男=モロ法相「所持許可基準明確化を」

ボルソナロ大統領(左)と、ロレンゾーニ官房長官(Marcelo Camargo/Ag. Brasil)

ボルソナロ大統領(左)と、ロレンゾーニ官房長官(Marcelo Camargo/Ag. Brasil)

 オニキス・ロレンゾーニ官房長官が8日、来週中にも銃規制緩和に関する大統領令が出されると発言したと9日付現地各紙が報じた。
 ボルソナロ大統領は、選挙期間中から、銃規制緩和を主要公約の一つに上げていた。
 大統領令の草案作成を担当する法務省のセルジオ・モロ大臣は、所持の許可基準をより明確にする方針だ。大統領令草案作成に関わるスタッフによると、「現行法は銃所持の許可基準が若干曖昧で、所持申請の審査検討時に主観性が混じる部分がある」という。
 ボルソナロ大統領は、就任直後のTVインタビューで、「銃所持」に止まらず、「銃携行」まで認めても良いのではとの私見を示したが、法務省側は、「銃携行」に関しては、議会による法改正承認が必要なため、大統領令には含まれないとの書面を出している。
 「銃所持」は、銃を自宅か商店などに置いておく事のみを認めるが、「銃携行」だと、一般市民が銃を持って外出できてしまう。法務省の書面では、所持できる銃の数量制限についても触れている。
 銃所持許可の有効期限を、現行の5年から10年へと拡大する事に関しては、モロ法相と連邦政府サイドの間で、すでに合意が取れている。
 また、8日の閣議では、他の閣僚から、農村部や僻地では、個人的な用途や護衛のための銃の取得を容易にして欲しいとの要請も出された。
 「『あなたたちは私の公約を現実のものとする使命がある』と大統領は閣僚たちに語った。銃規制緩和はその一つだ」とロレンゾーニ官房長官は語った。
 モロ判事は、法務省関係者の意見だけでなく、連警の立場も尊重する姿勢を見せている。連警は、銃規制緩和に関し、賛成か反対かの意見書を提出する事が出来る。
 草案には、銃所持の条件として、「前科がない」「射撃技術の認定証を有す」「心理テスト受験」等が明記されたが、現行法以上の制約は含まれていない。
 ボルソナロ大統領の三男、エドゥアルド・ボルソナロ下院議員(社会自由党・PSL)は、ボルソナロファミリーの中で最も積極的に銃規制緩和について発言し、SNSで投稿している。
 同下議は、自身が射撃訓練場で発砲している動画や、「銃を所持して最初にすべき事は、撃ってみる事」といった提言を投稿。ボルソナロ大統領の「銃は罪のない市民に正当防衛の機会を与え、治安改善に役立つ」との言説も掲載している。
 また、ブラジル内の銃市場を国外企業に開放することにも賛成で、「銃市場を開放しなくては意味がない。現状では(銃の価格が高く)富裕層しか正当防衛できない」とも表明している。