ブラジル国内ニュース
世界の中のブラジルのはずが…
ボルソナロ政権が、発足わずか8日目に、テメル前政権が12月に調印し、160カ国以上が賛同している国連移民協定からの脱退を正式通告した▼同協定脱退は、就任前のエルネスト・アラウージョ外相が調印当日に「移民問題は国際協定で縛らず、個々の国が決める事」と発言した事からも予測されていたが、正式通告が余りにも早く、国連内でも懸念が生じている。ボルソナロ大統領は既に、環境関連のパリ協定からの脱退も口にしており、懸念が実際のものとなる可能性はゼロではない▼それにしても、国連や諸協定、メルコスルとの関係など、ボルソナロ氏やその閣僚の中では、米国追従や、自国さえ良ければ他は知らぬといわんばかりの態度が続き、ブラジルは大国だから他国との関係は無視しても生きていけるとか、自分達の考えが絶対で他者の意見に耳を傾ける必要はないと考えているかの如き印象さえ、コラム子は受ける▼ボルソナロ氏がいた軍は、個人や個別部隊の単独行動が許されない場所ではなかったか。国連と軍は全く考え方が違う組織とはいえ、全体の規律や戦略の中で各部隊や個人の行動規範や役割が決まる軍に慣れた人物なら、もっと「世界の中のブラジル」という視点で発言できて当然ではないのか▼日本はかつて、満州国建国を全面否定されて国際連盟を脱退。その後、三国同盟を結んで第2次世界大戦に突入した。米国は湾岸戦争主導後に信用を失い、中国は南シナ海占領で敗訴して孤立など、どんな大国も、孤立すれば、その影響力を失う。ブラジルが諸大国の轍を踏むのか、俯瞰的な視点で行くべき道を選ぶのか。出だしからこれほど不安に駆られる政権も珍しい。(み)