ブラジル海軍で初の日系人将官となった和田典明氏(58、二世)が、昨年の11月に海軍中将に昇進し、1月7日にはサンパウロ市にある海軍技術センターで所長就任式典が行われた。日系人が海軍中将になったのは、同氏が初めて。元海軍大将でボルソナロ内閣の鉱山動力大臣を勤めるベント・アウブケルケ氏も出席し、異例の式典となった。
和田中将は、1960年6月18日の日本移民の日にサンパウロ市で誕生。元帝国海軍中尉のタカシさんを父とし、リオの海軍士官学校に入学、85年12月13日に入隊した。徐々に昇進し、2010年には参謀長へ。
12年から2年間は二度目の米国赴任となり、ワシントンの駐米ブラジル軍部機関で役員も務めた。15年には日系人初となる海軍少将に昇進し、さらに活躍の場を広げるようになり、このほどその成果が認められ海軍中将となった。
軍関係に顔の広い平崎靖之氏は、「海軍で日系最高位の役職に就かれて、本当に素晴らしい」と喜びで声を弾ませ、「和田さんは、自分の願った任務の一つに就くことができたそうです。サンパウロで気持ち新たに公務に励むと仰っていた」と語った。