ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》ボルソナロ政権=止まらない軍人の役職登用=広報も下院リーダーも=ペトロブラスの役員まで=経済でゲデスとの衝突懸念も

《ブラジル》ボルソナロ政権=止まらない軍人の役職登用=広報も下院リーダーも=ペトロブラスの役員まで=経済でゲデスとの衝突懸念も

ボルソナロ大統領とエドゥアルド・バセラール・レアル・フェレイラ氏(フォーリャ紙より)

ボルソナロ大統領とエドゥアルド・バセラール・レアル・フェレイラ氏(フォーリャ紙より)

 連邦政府の中核閣僚のみならず、連邦政府の広報官や国営企業の役員、下院の政府リーダーに至るまで、ボルソナロ政権では軍人登用が目立っている。15日付現地紙が報じている。

 14日、ボルソナロ政権は、新たな政府役職者や国営企業人事を発表したが、その中には軍人の名前が目立っている。
 連邦政府の広報官に任命されたオターヴィオ・サンターナ・ド・レゴ・バロス中将は、先週まで陸軍総司令官だったエドゥアルド・ヴィラス・ボアス氏の下で、陸軍情報センターのリーダーをつとめていた人物だ。
 この広報人事に関しては当初、軍人でない民間人の起用を検討していたが、希望していた人たちにことごとく断られた末に、バロス氏にたどりついたという。
 また、国立先住民保護財団(FUNAI)の会長に、フランクリンベルグ・リベイロ・デ・フレイタス退役大将が再就任した。これは、14日に辞任したヴァラセ・バストス氏の後任として、ダマレス・アウヴェス人権相の指名によって決まった人事だ。
 フレイタス氏はテメル政権時の2017年1月に会長に就任したが、農林関係者の強い反発にあい、昨年の4月19日付で辞任していた。
 また、下院の連邦政府リーダーは、ボルソナロ氏の社会自由党(PSL)所属のヴィットール・ウゴ少佐がつとめることとなった。ウゴ氏は陸軍の特別部隊でリーダーをつとめていたが、政治家としては1年生議員となる。
 また、ペトロブラス経営審議会委員に指名された3人の1人は、元海軍司令官のエドゥアルド・バセラール・レアル・フェレイラ氏で、議長をつとめる予定だ。
 ブラジル産業の中核を支える大企業ゆえに、経営審議会議長への軍人登用は驚きを持って迎えられている。経営審議会委員への軍人起用は、軍事政権時代のアラケン・デ・オリヴェイラ氏(1974~79年)以来となる。
 また、エリファス・グルジェル・シャヴェス・ド・アマラル退役大佐が科学技術省のラジオジフザン(放送)局長に就任した。同氏はルーラ政権で国家通信庁(ANATEL)長官をつとめた。
 また、連邦貯蓄銀行(CAIXA)の役員にモザルチ・デ・オリヴェイラ・ファリアス空軍少将が就任する。役職そのものはまだ決まっていない。CAIXAへはこの先も、陸軍、海軍からひとりずつが役員に指名される予定だという。
 この一方で、経済部門に軍人派閥が増えることで、パウロ・ゲデス経済相の派閥との対立が起きないか不安視する向きも出始めているという。