11月にご主人を亡くされたSさんに会い、あちこちが痛むからスポーツジムで水泳などを始めたと聞いた。これを聞いてすぐ、ご主人の介護などで外出の機会が減り、ビタミンD欠乏症やそれに伴う骨軟化症を起こしかけているのではと考えた。朝早くから夜遅くまで働き、昼食時や休憩時も会社の中という女性経営者が、日光に当たる時間が短いために深刻なビタミンD欠乏症に陥った例を聞いた後だったからだ▼女性経営者の職場は重たい荷物を抱えての階段の昇降なども必要で、疲労感や体中の痛み、筋肉の麻痺などの症状を抱えて総合内科を受診。日照不足でビタミンDが足りず、骨の石灰化が阻害された上、血中のカルシウム濃度維持のために骨中のカルシウムが溶け出して骨軟化症を起こし、骨の痛み、筋力低下などの症状が出ていると判断した医師が、ビタミンDを処方すると共に生活習慣の改善を勧めたら、症状はなくなり、職場での問題も軽減したという▼これと並行するように、ポルトガル語の新聞で、筋肉量低下を防ぐために蛋白質をという記事も読んだ。中学の頃、血や筋肉をつくる食品欄に魚肉類や卵などの絵が描かれた図をよく見たが、肉などが苦手な人には大豆なども蛋白源になる。筋肉量は加齢と共に低下する上、高齢者は失った筋力を取り戻すのが難しい。病気やケガ、長期休暇で体を動かさないと、失った体力を取り戻すのには止まっていた期間の3倍以上の時間を要す。高齢者はカーペットの厚みでも転倒、骨折を起こし、寝たきりや引きこもりになる事がある。常日頃から蛋白質やビタミンDなどの摂取に努め、少し負荷をかけた運動で筋力を保つなどの工夫が必要だ。(み)