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セアラー州の暴動16日目に=知事が緊急対策、沈静化へ

17日未明に襲われたフォルタレーザ市内のブラジル銀行支店(17日付G1サイトの記事の一部)

17日未明に襲われたフォルタレーザ市内のブラジル銀行支店(17日付G1サイトの記事の一部)

 【既報関連】1日に就任したセアラー州保安局長が、刑務所の管理を厳重化し、犯罪組織構成員の分離収容を止めるなどの方針を発表した事で、2日夜から始まった暴動は、17日になっても完全収束には至っていないと17日付現地紙サイトが報じた。
 今回の暴動は、サンパウロ州が本拠の州都第1コマンド(PCC)と、リオ州が本拠のコマンド・ヴェルメーリョ(CV)、セアラー州の犯罪組織でPCC寄りのグアルジオンエス・ド・エスタード(GDE)が共同して起こしている。
 バス焼き討ち、市役所や警察などの公共施設や銀行支店への襲撃、橋に爆弾を仕掛けるなどの攻撃は、17日未明までに229件を数えた。
 攻撃回数は、国家治安部隊(FN)第一陣が活動を始めた5日の44件をピークに、10件台に激減した。6日からは犯罪組織幹部の連邦刑務所への移送も始まった。
 だが、355人のFN派遣や連邦警察、連邦道路警察の増員、バイア州など近隣州の軍警の応援を得ても暴動は続き、カミーロ・サンタナ知事がFNの第2陣派遣を要請。同知事は州議会も緊急招集した。
 12日の州議会には、休暇中にも関わらず、46人中36人の議員が参加。暴動参加者や新たな攻撃に関する情報提供者に賞金を払う事や、退役警官の招集、警官や消防士の時間外勤務の上限引き上げなどの緊急対策案を承認した。
 退役警官1200人は15日から市警や軍警本部に赴き、16日から巡邏活動などに加わる事になっていたが、制服や防弾チョッキの準備が間に合わず、出動が遅れた。また、本部に赴いた退役警官の数が期待値に届かなかったため、登録期間も延長されている。
 11日以降の暴動件数は1桁台に落ち着いているが、フォルタレーザなど、46市で直接的な被害が出た他、商店の閉鎖や観光客の予約キャンセル、バスや地下鉄の運行停止、ごみの収集停止といった影響も出ている。
 なお、連邦刑務所に移送された犯罪組織幹部は35人。暴動関連で拘束された犯罪者は383人に達した。また、施設や管理体制に問題のある州内陸部の刑務所は閉鎖され、収容者は州都などの刑務所に移された。