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ロンドリーナ邦人厚生会慰霊法要=30人の日系人の遺骨を弔う

中川渡さん、田中夫人、西森鉄雄さん、木村厚生会会長、中川芳則さん、リーノ神父、杉本夫人、田中さん、中川芳則さんの姪、杉本家長女(右から)

中川渡さん、田中夫人、西森鉄雄さん、木村厚生会会長、中川芳則さん、リーノ神父、杉本夫人、田中さん、中川芳則さんの姪、杉本家長女(右から)

 終戦後、北パラナのロンドリーナ市は「コーヒーの都」として驚異的な発展を遂げた。しかし地方からの流浪人、生活困窮者も増え、その救済を目的として伊東達馬、岡崎仙次氏等の有力者が「ロンドリーナ邦人厚生会」を1955年に発足させた。
 さらに64年にはロンドリーナ中央墓地(サンペドロ墓地)に納骨堂を建立し、現在では市役所に登録されている10人の他20人、併せて30人の日系人の遺骨が収容されている。
 昨年の日本移民110周年に当たり、当時の委員も殆どが亡くなり、生き残りの中川芳則氏が結婚60周年と卒寿を迎えたため、厚生会の名で慰霊法要を申し出た。同会の木村保会長も賛同し、去る12月19日、イマクラダ・コンセイソン教会のリーノ神父によって、慰霊法要がしめやかに執り行われた。
 木村会長は慰霊碑を前に、「もう少し早く慰霊法要は実施すべきであったと感じています。日本移民110周年に当たり、心よりご冥福をお祈りします」と埋葬者30人の名前を一人ひとり読み上げて各自の冥福を祈った。
 30人の中には、身分証明書も無く葬られた人もあり、唯一『ガリンペイロ体験記』の筆者、杉本有明さんだけが「ブラジルに移住して、志半ばにして病に倒れた同胞達だ。あの世で慰めてやりたい」と生前から語っていたため、杉本家では本人の遺志を尊重して遺灰を納めている。当日の法要には、杉本夫人と長女も姿を見せ、7年前に亡くなった故人を偲んでいた。(中川芳則ロンドリーナ通信員)