ゼネラル・モーター社(ブラジルでのブランドはシボレー)がブラジル撤退をほのめかしており、州内3市に同社の工場があるサンパウロ州では、州内全ての自動車会社に、商品流通サービス税(ICMS、州税)を通しての税制優遇措置の適用を検討している。
この措置は、ブラジル国内各州の間に企業誘致目的での税制優遇の競争を誘発しかねないとある専門家は危惧する。
テメル前政権の財務相で昨年の大統領選候補、今はサンパウロ州財務局長のエンリケ・メイレレス氏は、これはGMを救うための措置とした。
GMメルコスールのカルロス・ザルレンガ社長は、現在は危機的状況にあると語っている。
サンパウロ州は、資材などの購入時に発生したICMSのクレジットを前倒し清算擦ることを認め、GMが直ぐに支払わなければならない税金の支払いにあてられるようにしようとしている。
GMに同措置が適用されるなら、州内に工場を持つ全ての自動車会社にも同様の措置が適用されるべきと、メイレレス局長は語った。
サンパウロ州では、2018年1月から10月までに、ICMSによる税収が1125億レアルあった。その内17億レアルは自動車会社からの納税だった。
メイレレス局長は、GMの救済は、ブラジル人の雇用の保護や将来的な税収確保にもつながり、州としても、充分に採算がとれるとしている。
ただし、州政府自身もそう簡単に自動車会社への税優遇措置が適用できるわけではない事を知っている。いかなるタイプの税の免除も、その分の穴を埋める財源が必要になるからだ。これは財政責任法(LRF)にも定められている。(23日付フォーリャ紙より)