世界各国にある日本の在外公館公式フェイスブック(以下、FB)のフォロワー(登録者)数で、上位10位までにブラジル大使館、サンパウロ、リオ、クリチバ総領事館の4つが入っていることが分かった。なかでもブラジル大使館は堂々の第1位で、断トツの35万8424人。続く第2位のメキシコ大使館(30万9888人)、第3位のアルゼンチン大使館(23万3995人)と合わせて、中南米諸国にある在外公館が上位10位中6つを独占している。日系人の多い国・地域ならではの親日度の高さと言えそうだ。
外務省サイトによればフェイスブックを開設している在外公館は、アジア23館、大洋州12館、北米17館、南米25館、欧州48館、中東15館、アフリカ26館で、合計166館。
そのなかで第1位となったブラジル大使館の山田彰全権大使は「近年、FBを通じた広報に力を入れてきた」と話す。山田大使は17年7月着任以前にはメキシコで大使を務めており、同国大使館も第2位で首位を占めている。
「どういうコンテンツ(内容)を出すか工夫を凝らしたことに加え、ブラジルはSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の利用者が多い」と第1位となった要因を分析する。
特に「どういうリアクション(反応)があるかに注目しながらやってきた」と話し、日本の豊かな魅力を発信することを目的として、バリエーションに富んだ情報配信に加え、昨年からは動画投稿を倍以上に増やした。日本語を学ぶ登録者が多いことから、キーワードに日本語を入れる等工夫も凝らしてきた。
また、上位10位中6つが中南米諸国であることから、山田大使は「これだけ日系人がいる地域はほかになく、これは中南米特有の事情。それゆえ日系人を通じてある程度日本を知っていて好きという人が多く、日本に対し自然な関心を抱いている」として、日系社会の存在を強調した。
アルゼンチン大使館に次いで第4位となった在サンパウロ総領事館は、昨年1月の登録者は6万6009人だったが、今年1月には20万1949人となり、一年間の伸び率は3倍以上となった。
野口泰在サンパウロ総領事は「人気のある投稿内容を分析するなど力を入れてきた。政策的なものは関心が低いので、時折織り込みながらも料理や風景など日本の様々な魅力を中心に発信してきた」と話し、「サンパウロは人口が多いことに加え、ブラジル人はFBが好き。日系人を通じて日本に関心を持つ人も多い」と分析した。
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ブラジル大使館文化広報班によると、投稿に対する閲覧者からのコメントや質問に対してもひとつひとつ返答しているといい、投稿に対して好感を持った登録者が押す「いいね」ボタンやコメント、シェアー(友人との情報共有)等のエンゲージメント(投稿に対する反応)が非常に高くなっているという。地道ではあるがこうしたきめ細やかな日本式対応が、登録者数増加に繋がっている一因かも?