2月1日に行われる下院議長選で、ロドリゴ・マイア現議長(民主党・DEM)の3選がほぼ確実となった。大型党の民主運動(MDB)と進歩党(PP)の支持が確実になったためだ。29日付フォーリャ紙が報じている。
ボルソナロ大統領(当時下議)をはじめとする社会自由党(PSL)は選挙キャンペーン中、マイア議長のことを「テメル政権の下院議長」と批判していたが、総選挙で第1党となった同党が推薦に回ったこともあり、今回の議長選はマイア氏有利と見られていた。
その後、ボルソナロ政権に反対する野党の左派のうち、民主労働党(PDT)とブラジル共産党(PCdoB)が「前の任期中に民主主義に忠実に動いた」ことを評価して、マイア氏支持を表明した。
これに対して、大型党のMDBやPPは当初、自党の候補を擁立してマイア氏に対抗しようとしていた。
テメル前大統領の党のMDBは、マイア氏はテメル政権の時代の下院議長であったことを認めつつ、積極的に対立候補擁立に動き、ファビオ・ラマーリョ氏を擁立しようとしていた。その背景には、オニキス・ロレンゾーニ官房長官をはじめとし、ボルソナロ政権にはDEMの閣僚が3人もいることから、議会でも同党の力が強大になるとの懸念があったためだ。
だが、PSLがマイア氏を推すとわかった時点で、マイア氏優位は動かないと見て、支持に回ったようだ。
また、「セントロン」の中心党であるPPもアルトゥール・リラ氏を擁立しようとしていたが、党はマイア氏支持で約束したと、フォーリャ紙は報じている。リラ氏はこの時点で交渉終結を否定したが、支持政党が得られず、出馬を諦めた。
さらに、同じセントロン系のブラジル労働党(PTB)もマイア氏推しを決めている。
これで、マイア氏の対抗馬となりそうなのは、マルセロ・フレイショ氏(自由社会党・PSOL)、ジョアン・エンリケ・カウダス氏(ブラジル社会党・PSB)、マルセル・ヴァン・ハッテン氏(ノーヴォ)あたりに絞られてきたといえそうだ。
労働者党(PT)はこれまでマイア氏を支持していたが、PSLがマイア氏を支持したため、下院で同盟を組んでいるPSOLのフレイショ氏を推すと見られる。PSBはPDTやPCdoBと同盟を組んでマイア氏推薦と見られていたが、PSLがマイア氏支持に回ったことで、カウダス氏が反旗を翻した。