ブラジル地理統計院(IBGE)は1月31日、昨年10~12月の失業率は11・6%だったと発表したと、1月31日、2月1日付現地紙・サイトが報じている。
調査コーディネーターのシマール・アゼレード氏は、「現在は、ブラジル国民の4分の1が自営業だ。労働市場の構造自体が変わってきた」と語る。
昨年1年間の平均失業率は12・3%で、12・7%だった一昨年より若干改善したが、就職自体を諦めた人や、非正規雇用で働く人も多い。また、自家用車一つで配車アプリUberのタクシー運転手として働く人も増えているが、安定した雇用とは言えない。
年間平均失業率が0・4%ポイント回復した事で、18年の就業者人口は17年より120万人増えた。しかし、未だに1280万人以上のブラジル人が失業中だし、10~12月の場合は、自営業者が2・8%、非正規雇用者は3・8%増え、非正規雇用者が1%減った。非正規雇用者と自営業者の総計が正規雇用者を上回る状態は、一昨年から続いている。家庭内労働者も加えた数が正規雇用者を超えたのは16年の第1四半期からだ。
市場関係者たちは状況が劇的に改善される見込みは少ないとし、ボルソナロ政権が社会保障制度改革など、経済活性化のために必要な政策を迅速に行えるか否かに、今年の労働市場の動向はかかっていると見ている。
経済調査院(Fipe)所属のエコノミスト、エドゥアルド・ジルベルスタイン氏は、「どれほど楽観的に予測しても、社会保障制度改革の成立は今年半ば。その後も、企業家たちが設備投資や従業員の増員に踏み切るまでには時間がかかる。今年の労働市場は昨年よりもましにはなるが、力強い回復にはならないだろう」と予測する。