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大城バネサ=歌手生活15周年で南米公演=充実した1年を振り返る=「もっと『長良川悲恋』歌いたい」

クリチバの日系農場のコーヒー豆も楽しめるカフェテリア。充実した1年を振り返る大城さん(岐阜県羽島市のカフェテリア・バネサで、1月17日)

クリチバの日系農場のコーヒー豆も楽しめるカフェテリア。充実した1年を振り返る大城さん(岐阜県羽島市のカフェテリア・バネサで、1月17日)

 【岐阜県羽島発】アルゼンチン出身の日系歌手、大城バネサさん(37)が昨年、日本デビュー15周年を迎えた。現在、活動拠点としている岐阜県羽島市で1月17日に取材に応じ、南米3カ国公演や新曲発売など充実の1年を振り返った。

 大城さんは亜国ブエノス・アイレス出身で、一世の父と二世の母はともに沖縄系。その影響で幼少期から沖縄民謡などに親しんだ。2002年のNHKのど自慢チャンピオン大会でグラチャンを獲得し、スカウトされた。
 08年にデビュー当初の事務所と契約を終えたあとは、かねてから親交のあった現在の事務所社長の声かけで岐阜に移住した。今では地元テレビやラジオほか、ルーツのある沖縄でもレギュラー番組を多数抱える売れっ子だ。これまで20作ほどのシングル、アルバムを発売している。
 15周年を迎えた昨年は奇しくも、ブラジル、アルゼンチン、ペルー3国の岐阜県人会がそれぞれ創立80、45、35周年を迎える節目と重なった。そんな折、岐阜県知事から「五木ひろしの『長良川艶歌』を越えるようなご当地ソングを歌ってほしい」と要望があった。県と南米をつなぐ人材として、期待を込めた言葉だった。
 同曲を世に送り出した作曲家の岡千秋さんとタッグを組み、4月に『長良川悲恋』を発売。地元ラジオ局の年間ランキング1位を獲得するなど、大きな反響を得た。
 7、8月には県人会の創立式典で南米へ。県人会行事ほか、母国アルゼンチンでは15周年記念コンサートを行い、ペルーでは三線や沖縄民謡と共演した。ブラジルでは、移民110周年を記念した県連日本祭りのステージにも立った。
 南米で歌唱する機会に恵まれたことで、「つながりを強く感じる1年になった。歌い手として懸け橋になれるなんて、とても幸せなこと」と話す大城さん。「あっという間だった」という15年が過ぎ、気持ち新たに新年を迎える。
 今年は初のカバーアルバム発売も計画しており、「新しい試みにも挑戦しつつ、『長良川悲恋』を引き続き大事にして、いろんな場所で歌いたい」と抱負を語った。(小倉祐貴通信員)

CDを手にPRする大城さん

CDを手にPRする大城さん


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 昨年デビュー15周年を迎えた大城バネサさん。歌手活動のかたわら、岐阜県羽島市で営業する「カフェテリア・バネサ」の経営者でもある。一押しは、クリチバの日系農場で栽培されたコーヒー豆のエスプレッソ。記者もごちそうになったが、深く香ばしい味わいにブラジルらしさを感じるような。スパムおにぎりなど沖縄系メニューもあり、日本・南米両面のルーツを大切にしている様子。本業の歌手活動など関心のある方は公式サイト(vane-music.com/)まで。