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日本式介護18人が修了=CIATE介護実務講習

受講証明書を手にする受講者ら

受講証明書を手にする受講者ら

 国外就労者情報援護センター(CIATE、二宮正人理事長)は1月14~17日、サンパウロ市文協ビル内の同センター会議室で、日本での介護職就労希望者を対象とする介護実務講習を行った。
 日系の中年女性を中心に19人が参加し、JICAシニアボランティアとして来伯中の日本人介護士、長橋秀樹、鳥羽肇、村田菊代、長谷川美津子4氏から日本式介護の基礎を学んだ。
 講習は毎日午前9時から午後4時まで行われ、介護の基礎知識や日本の施設の特徴についてなどが講義された。ベッドから車椅子への移乗方法や食事のさせ方、排泄の手伝い方などの実技演習も行われ、最終日の確認テストに合格した18人には受講証明書が贈られた。
 日本での就労希望者が対象の同講習だが、参加動機に身近な高齢者を介護するため日本の先進的な介護技術を学びたいという人も多かった。
 講習を受けた山田まゆみさん(55、二世)は、過去に日本の工場で3年間の就労経験があり、日本語も堪能。現在は90歳になる義母の介護を行う。義母の介護の参考にと参加したが、「介護される人のことを第一に考える日本式介護に興味がわいた。日本での再就労時には介護職に就くことも考えたい」と語った。


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 「会話を食事よりも楽しみにしている高齢者は少なくありません。シンパチカなブラジル人は介護職に絶対に向いています。これからもぜひ勉強を続けてください」。CIATE介護実務講習の閉講挨拶に立った長橋さんはそう受講者らを激励した。寂しさを抱える高齢者は多い。生活補助の技術だけでなく、心情に寄り添い、生活を豊かにするところまで考えるのが介護の真髄。今後、高齢化社会となるブラジルでは、日本式介護がより必要とされそうだ。