ラヴァ・ジャット作戦での多額の贈賄容疑が問題となった建設大手オデブレヒト社が、2006年から14年にかけて1億7300万ドル(6億3千万レアル)もの贈賄をベネズエラの政治家に行なっていた疑惑が、ブラジルとベネズエラで行なわれた捜査でわかった。6日付エスタード紙が報じている。
オデブレヒト社が中南米の他の国に対しても、建設事業受注の見返りとして政治家に贈賄していたことはかねてから知られていた。
ベネズエラは中でも支払額が最も大きな国と目されている。2016年にオデブレヒト社が米国司法当局に協力した捜査の結果では「9800万ドルの贈賄を行なっていた」と報告され、この時点でも2位のドミニカの9200万ドルを上回っていた。
だが、ブラジルとベネズエラの両側で行なわれた、同社関係者(ベネズエラ支社も含む)や贈賄工作に関与した金融関係者などによる報奨付証言を元にした今回の捜査だと、米国捜査のほぼ2倍、1億7300万ドルもの賄賂が支払われていた疑惑が出てきた。
それらの贈賄を通じて、オデブレヒトは2006年から14年にかけて10を超える公共事業の契約を締結していたという。現在のマドゥーロ政権は2013年からなので、前任のチャべス大統領の時代から行なわれていたと見られる。
また、マドゥーロ大統領の2013年の大統領選だけに限ってみても3千万ドル(1億1千万ドル)と、今回判明した額の6分の1ほどの贈賄が行なわれていたという。
このマドゥーロ大統領の13年選挙の疑惑に関しては、ルイーザ・オルテガ・ディアズ氏が同国の検察庁長官をつとめていた時代に捜査が行なわれ、この件での告発も行なおうとした。だが、ルイーザ氏はマドゥーロ氏から長官職の座を追われて2017年に亡命。以来、後任長官の下、この件の捜査は止まったままになっている。
オデブレヒト関係者が報奨付証言で語ったところによると、ベネズエラを含む中南米9カ国での贈賄は、オーストリアに本社を持つマイネル銀行を通して行なわれていたという。
支払先は、欧州やカリブ海の島にオフショアの秘密口座を作り、そこを通じて贈収賄を行なっていたという。