【既報関連】エルネスト・アラウージョ、ブラジル外相は11日、ベネズエラのファン・グアイド暫定大統領に指名された駐ブラジル、ベネズエラ大使のマリア・ベレンドリア氏、ベネズエラ国民議会のレステル・トレド議員と会合したと、12日付ブラジル各紙が報じた。
米国はベネズエラ国民への支援物資をコロンビア経由で送ろうとしたが、マドゥーロ政権は「支援の名を借りた軍事介入」として受け取りを拒否。軍が国境を封鎖し、物資は7日からコロンビアのククタで足止めされている。
アラウージョ外相は大使らとの会談前に、米国の南方軍指揮官(司令部マイアミ)とクレイグ・ファラー提督と会談、ベネズエラ情勢のガイダンスを受けていた。
ベレンドリア大使は、支援物資、ブラジル経由ルートの構築を第一目標として、アラウージョ外相との会談に臨み、「ベネズエラ国民は医薬品を必要としている。抗がん剤や心臓病、糖尿病の薬も足りないし、血液透析も行えない。子供は飢えに苦しんでいる。国外に逃げたベネズエラ国民は、とうに根絶されたはずの病気にかかっていることもある。これはベネズエラの劣悪な医療環境のせい」と訴えた。
アラウージョ外相は、ロライマ州に救援センターを設置し、ベネズエラに向けて医薬品や食料などを運ぶ計画に賛意を示した。近日中にブラジル、ベネズエラ間の国境地帯を共同で視察することにも三者は合意した。同大使とトレド議員はその後、ブラジル国防相や保健相とも会談した。
グアイド暫定大統領は11日、山積みの支援物資を背にして「最初の援助物資が届いた。妊婦、栄養失調状態にある子供を優先に届ける」と語る動画をツイッター(@jguaido)に投稿したが、コロンビア国境をどのようにして突破したのかは明らかにしなかった。
暫定大統領はさらに、国境封鎖をやめ、援助物資の入国の邪魔をしないよう、軍に呼びかける集会を12日に開くとも投稿した。
アラウージョ外相に面会したトレド議員は、「コロンビア、ブラジル、カリブ海諸国から、救援物資を一斉にベネズエラに送る計画がある。ベネズエラ人は“人の鎖”を作って、国境でそれらを受け取る。軍も国民を攻撃できないし、物資が入る事を邪魔できない。作戦決行の日時はグアイド暫定大統領が近日中に発表する」と語っている。
なお、12日午後4時過ぎに、グアイド暫定大統領は「人道支援受け入れ日時が決まった。2月23日を人道支援受け入れの日とする。その日にむけて、我が国史上最大の輸送作戦の準備を始めよう」とツイートした。
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